六月後半からずっと忙しく映画やイベントにも行かず、只管家に籠って執筆の日々でした。蒸し暑くて身体も辛いし経済的な心配で心理的な消耗も大きいし、もうヘロヘロ。本当にやや飲み過ぎではあるものの鬱にもならず、我ながらよくこんな生活を続けていけているなあ…という感じです。
六月末、七月半ば、七月末と、三回研究報告をしました。勿論各々別な内容でです。まあ、最初のものは今月出た論文をちょっと手直ししただけのものなので、それほど大変ではなかったのですが。
で、先週末の学会の開催地が宇都宮だったので、学会終了後、宇都宮在住の旧友と落合い、その晩は彼の家、と言っても彼はお連れ合いの家族と同居、つまりマスオさん状態なので、お連れ合いの実家に泊めてもらいました。
最近学会発表ではオーディエンスが少なく反応も薄く、ガックリさせられることが多いのですが、先週末は比較的人も集まり、僕自身も集中してアドレナリン全開で「演じ」られたので、それなりの手応えがありました。下がりっ放しの自己評価も少し回復。
新しい知り合いも出来、午後のシンポジウムも予想外と言うか予想以上に面白く、時間となけなしのお金をはたいて、宇都宮くんだりまで行った甲斐がありました。
シンポジウム終了後、大学の正門近くまで車で迎えに来てくれることになっている友人と落ち合うために外に出ると、日中のピーカン晴れが嘘のような曇り空で雨がポツポツ…おまけにゴロゴロと雷の音まで！
後で知ったのですが、宇都宮は「雷都」と呼ばれるほど、雷の多い街なのだそう。
ちょっと友人との待ち合わせに手間取りましたが、何とか無事再会出来、彼の車で自然食が売りだという街道沿いのお店へ。正直味はチェーン店＆セントラルキッチンの量産もので、店自体がファミリー＆カップル向けのようでお酒も殆どなく、今一つでした。しかしその日は、午前三時頃夕食だか朝食だか分からない食事をしてから何も食べていなかったので、芋焼酎をロックで一杯だけ呑みながら、「欠食児童」（笑）のようにどか食いしつつ、友人と互いの近況を報告し合いました。
その後「（運転）代行」さん（自家用車で移動中にアルコールを呑んだ際に、代わりに運転をしてくれる業者。二人一組で軽自動車でやって来て、一人が顧客の車を運転しもう一人は軽で目的地まで着いて来る）を頼んで、彼の自宅＝お連れ合いの実家へ。代行さんの運転が荒っぽく狭い道でもビュンビュン飛ばすので、ちょっと怖かったです。
シャワーを浴びさせてもらって着替えてから、彼のお連れ合いと三歳の息子さんも交えて（生後半年の娘さんは別室で寝たり起きたり）、スパークリングワインと赤ワインで呑み直し。ほぼ一回り下のお連れ合いとは五年前の披露宴の際にちょっと顔を合わせただけでしたが、子どもの世話で疲れているだろうにノンアルコールで嫌な顔もせず、酔っぱらい二人の話に耳を傾けてくれていました。息子さんには「くすぐり攻撃」をしたり、「丸焼きの刑」（「アンボンボンボン」と言いながら、両手両足を持って逆さ吊り）に処したりとか…受けてましたね（笑）。
その後更にお連れ合いの運転でコンビニに行って、ウイスキーを買ってまた呑んで…翌朝十時頃に目が覚めたら畳の上にごろ寝してました。友人は布団の上ですごいイビキをかきながら寝ていました。…後で聞いたら彼は家の前でタバコを吸った後座ったまま寝ているのを、朝六時頃お連れ合いのご両親に「発見」されたそうです（三日酔い状態でその後僕がお暇する際も、お連れ合いに急かされてヘロヘロで無理して玄関まで顔を出してくれたみたいな感じでした）。僕の方は酒はほぼ抜けていたものの、変な姿勢で寝て右腕の血流を止めてしまったようで、右腕がちょっと麻痺してしまい、歯磨きや箸を使うのに難儀しました（三年ほど前同じようなことをしたことがあり、その際はもっと重症だったので、過度に動揺せずに対応出来ましたが、友人のお連れ合い一家を心配させぬよう普通に振る舞うのに、ちょっと苦労しました。今回はごく軽症で済んだようで、今はほぼ完治しています）。
身支度をして着替えて、朝食用に用意してくれていた食事を午後一時頃に済ませて、二時頃お連れ合いのご両親にJR宇都宮駅まで車で送って頂きました。お土産に家の横の畑で取れたという、茄子やインゲン等無農薬の夏野菜まで沢山持たせてもらい、感謝と恐縮の限りでした。最近人の冷たさを痛感させられることばかりだったので、友人と友人のお連れ合いご一家の親切が余計身に沁みました。
宇都宮から湘南新宿ラインで本を読んだりウトウトしたりしながら、新宿まで二時間。笹塚に着いてから自然食品店で買い出しをして帰宅。その日の晩はお土産に頂いた野菜等を肴に、宇都宮に行く前に届いた『マイマイ新子と千年の魔法』のDVDを観ながら、久しぶりにのんびり痛飲しました。
