2010-04-28

自然と共に生きるということ このエントリーを含むはてなブックマーク 

この作品を観るまではもう少し農場のきれいな面を
見せられるのかと期待とも不安とも区別のつかない思いを抱いていました
この作品をとても観たいなと思わせたのは
レビューアー募集の中の予告動画を見ていて
後継ぎ息子が犬にかまれちゃうシーンが思わずツボにはまり
ほんわか感じたのも決め手の一つです
恥ずかしながらこの動画を見る迄この作品の事は知りませんでした

映画を観てこの監督の映像の取り方にシンプルながらも訴える力を感じた
見せ方はすごくシンプルで、飾りのない美化されてない農場の実情と問題
そしてそれと向き合って足踏みしつつ毎日を乗り切っていく農場主達
日本でも先進国としての歩みを進めれば進めるほど農業離れが進み
今や日本の食生活の大半が輸入でまかなわれている
勿論人口の増加による森林伐採や農地の宅地転換もあるので
同じ土俵で考えられはしないが、先進国の進んできている道は
いずれも似たり寄ったりだろう

だがどうだろう それではと 自給自足の生活をすれば
人は豊かな食生活や生活が送れるのだろうか?
現実はそんなに甘くないし 庭の畑でキュウリを作って食べてれば
自然とともに生きてるって事だと達成感で一杯になってるのは違うと見せつけられる
少し前の日本も自然食 ロハス 有機農業等
あたかも自然とともに生きて行くように目覚めたかのように
装っていたが どうやらそれはほんの一面的な部分しか体験できていなかったんだと
今さらながらに現実の厳しさを見せつけられる

監督は事実をありのまま インタビューを受ける側に語らせ
それを透かして見せる 効果的な質問も全くなくて
たわいもない会話が続き しばしば沈黙が続くことも
でもこの間がまた見る側にシンプルに色々と感じさせることになる
実際に自分がその場にいてその人たちと話している気分にさせる
そんな映像が続く中 決して将来は?とか 解決策は云々等と持っていかない

でも そんな中で監督はまた彼らの元へ戻り再びインタビューする日があると
最後まで見届けることが彼の使命であり当り前のように聞こえる
そして本当に実行するだろうと見る側も一緒に約束したかのような気になる
自然の素晴らしさとともに厳しさや現状での問題
これらすべてを知りうる事でようや自然との共存という事に
まっすぐに向き合っていると言えるのだろう

色々と考える時間を与えてくれる作品です

3DやIMAXみたいに派手ではないけれど
体感型ドキュメンタリー作品なんだと観終わってじわじわと思えてくる作品です

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まんとひひ

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まんとひひ

“日々映画に癒され、生かされてます。”