2010-01-04

こどもの頃の気持ちを思い出す映画 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 予告編を観たとき、2人の少女たちが郵便ポストの前で日本式のお祈りをしている姿が印象的でした。
 子供が主人公、または子供が登場する映画を観るといつも思うんですが、子供は大人が思うよりも色々な事を考え、悩んでいるんですね。
ユキとニナもまさにそうでした。
親に保護されながら過ごさざるを得ないけど、親のやること全てを納得しているわけではありません。
それと同時に、親に対する独特の寛大さ、どんな親でも受け入れようとする本能も感じました。
 ユキは、両親の喧嘩に聞き耳を立てているけど、両親の前では普通に振舞っているし、妖精から届いた手紙を母が読んだときも、側にいながらも何の反応も見せません。
しかし、その内面には、父や母以上に叫んだり泣き出したりしたいほどの気持ちを抱えていて、その表と裏を、主演のノエ・サンピちゃんが見事に演じていました。
セリフは最初から決まっていたわけではなく、多くが即興だったとのことでとても驚きましたが、これぞまさに、大人が考えている以上に、物事を理解している子供の本能なのかもしれないと思いました。
 私は、ユキは自分が日本へ行くことになるであろうと、心のどこかではわかっていたと思うので、ニナから離れてどんどん森の奥へ入っていったとき、自分の9年間に別れを告げているかのような覚悟のユキの気持ちに、涙が止まらなくなりました。
これが結果的に現実を受け入れ成長への第一歩となりますが、親も一緒に成長させられる典型ですね。
大人になるにつれ薄くなっていく子供の頃の記憶、それを思い出させてくれる映画でした。

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ブルーベリー

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