17歳の少年・亮が“普通”に生きることが難しい社会。
今の日本だったら、現実になってもおかしくないような八方塞の物語に、
リアリティを感じました。
特に、刑事の木村役のベンガルが亮を問いただすシーンは
日本社会をわかりやすく表していたと思います。
「僕はどっちにすればよかったんですか?」という亮の問いかけ。
これに、まともな返答の出来る大人はいるのでしょうか。。。
手を差し伸べることをせず、助けを求めている手も振りほどく、
しかし“(亮には)休息が必要” “夢に向かってがんばれ” といった
道徳的な言葉だけ並べる人間の矛盾を観せられて、
私自身の中に悲しさ、不安、絶望、苛立ちといった
全ての“負”の気持ちが湧きあがってくるのを感じました。
また、困っている人を助けることができない、励ますことすらできないなんて、
先進国といえるのかという疑問も残りました。
唯一の救いだったのは、亮が生きることを望んでいたことです。
父親に二度目に会いに行ったときの亮の気持ちを考えると複雑ですが、
ラストシーンは明らかに田舎町!
自分の意思で田舎へ戻ったのかどうかが気になるラストでした。