2016年のオリンピック開催地がもう少しで決まる。
候補地アピールの最終演説で、日本は鳩山首相や石原都知事、あと15歳の体操少女も起用するそうだ(今日の朝日新聞、夕刊)。
どうしてそんな人選になったのかを、新聞はこう伝えている・・少女は次世代を担う代表として「私が大人になったとき、地球はどうなってしまうの?」と悪化する地球環境を訴え、「スポーツを通じて、私は世界中の子供たちと通じ合える」などとスポーツの持つ力を訴える(新聞から引用)、というわけらしい。東京はオリンピック開催のアピールポイントとして「環境」や「次世代のための大会」を掲げている。
ならば、スピーチとして適切なのは、たぶん次のような内容じゃないかな。
「オリンピックの招致レースなんかで盛り上がっている場合でしょうか? 皆さんホテルのスイートルームにお泊まりで、ロビーではワイングラス片手に談笑・・さぞかし良いご身分ですね。どうせ私が大人になった時なんて、ここに来ている皆さん方ほとんど死んでるんでしょうから、ぶっちゃけ将来の地球がどうなったところで知ったこっちゃない、なんて思ってないですか? オリンピックをやるよりも、もっと大事なことがある気がするけどなー」。
少女が大人のお膳立てをぶち破り、良心に従って行動するとき。そのとき、新しい時代が幕を開けるだろう。
大人どもはガキを自分たちがキモチよく過ごしている世界に招き入れ、そっち側の価値観をすりこもうとする。自分らの地位がひっくり返されないように。
だからまぁ、そういう意味では正しい戦略だろう。子供を使うのは(ガキを物欲のトリコにすべくコマーシャル漬けにするのも良い戦略)。
おれが望むのはオリンピックがあってもなくても、日々の地道な営みそれ自体が希望であり喜びとなる世の中であることだ。
欲求不満がたまっている時代というのは、オリンピックみたいなスポーツイベントがこれまで以上に必要とされる。庶民のうっぷん晴らしとして。
かつてブラジルで行なわれた環境サミットで、12歳の少女がスピーチしたことがあった(1992年6月)。居並ぶ各国の指導者どもを前におこなわれたそれは、「伝説のスピーチ」と呼ばれている。
http://www.youtube.com/watch?v=C2g473JWAEg
東京が15歳少女をスピーチに起用するのを知って、私の頭に浮かんだのはそれだった(続く)。