2009-08-25

事実が生んだリアリティ このエントリーを含むはてなブックマーク 

麻薬のプロの運び屋「ゴー・ファースト」。
主人公の潜入捜査官マレクは、この「ゴー・ファースト」となり、麻薬組織潰滅を目ざしている。
マレク役のロシュディ・ゼムが、ハードボイルドな潜入捜査官役を好演している。
また麻薬組織によりマレクの同僚が殺され、その復讐のために潜入捜査官になる、という展開も面白い。
わかりやすい悪役とわかりやすい正義という、「忠臣蔵」のような復讐譚は、日本人は大好きである。
こういうストーリー展開はすんなりと観客に受け入れられる。

このマレクが、麻薬取締局の過酷な猛訓練から、一流の潜入捜査官となっていく過程が興味深い。
ここまでしなければ、麻薬組織には潜入できないのだ。
また麻薬組織も、用心深い。
マレクに仕事を依頼するにさいして、徹底的な身辺調査をおこなうのだ。
家や携帯のチェックはもとより、「本当にコイツは悪人なのか」と犯行を行わせる。
取締る側と取締られる側の、さながらキツネとタヌキの騙し合いのようなやりとりが緊迫感を高めていく。
「ここまでするのか」と唸らざるをえない。
また見どころは、時速200キロ以上でハイウエイをかっ飛ばす、カーチェイスである。
上品でありながら獰猛さを垣間見せるヨーロッパ車のカーチェイスは、
安っぽいハリウッドや香港映画のカーチェイスとは一線を画している。

この夏一押しの、スマートでスタイリッシュなカーアクション・エンターテインメント作品だ。

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ぬま

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ぬま

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