2009-06-15

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日本人うけはしそうにないラブ・コメディー。
重いテーマをウディ・アレンらしい軽妙なタッチで表現していて気に入った。
ファン・アントニオのセリフ「マリアとは自由でありながら束縛しあう関係」に、彼らの複雑さが表れていた。
たぶん日本人の感覚にはあわないであろう男女関係のありかたである。

この作品は、もてる一人の男性アーティストと、彼に魅かれる3人の美女の三角関係ならぬ四角関係を描いていた。
それを人前でも隠すことなく、友人にもあけすけに話してしまう。
日本人はあそこまでオープンで人目を気にしないほど大人ではない。

同じく、ファン・アントニオの印象的なセリフ「人生は無意味だ。楽しまなくてどうする」も日本人の感覚とは乖離が大きいだろう。
そんな感覚で、ファン・アントニオは二人の美女ヴィッキーとクリスティーナの二人ともものにしてしまう。
うらやましい限りである。

そんなアントニオを見ていて想起したのはロジェ・バディム。
カトリーヌ・ドヌーブ、ジェーン・フォンダなど次々と美人女優をものにした。
良い芸術作品を生み出すには、自由でなければならない、性的にも。
本当かな?

ヴィッキーとクリスティーナは、アントニオとマリアに惑わされる。
が、二人とも何とかその経験を肥やしとして次のステージへ移っていく。
自由でしなやかで強靭だ。
日本人なら三角関係くらいでも大騒ぎだが、彼らは四角関係でレズまで入る。
それを乗り越えて行くのだからたいしたものだ。

そんな肉食女子を見ていて思い出したのはHOYA。
次世代経営者育成プログラムを全世界対象に実施。
タフな競争の果て、最後に経営者候補が4人残った。
その全てが外国人で、外国人4人のうち女性が3人だった。

ハードな経験を乗り越えて、前向きに生きていく肉食女子。
こんな靭い人たちに伍して日本経済がやっていけるのだろうか?
日ごろ草食男子の群れと仕事をしている草食男子の偽らざる感想である。(笑)

色々な場面で飛び出す気の利いたセリフ。
バルセロナやオビエドの美しい風景。
そして美女3人。
楽しめる要素がたくさん詰まった映画でした。

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