2009-04-26

静寂の音 このエントリーを含むはてなブックマーク 

音楽の話ではない。
どうも最近、耳鳴りがしているようなのだ。
そう話すと、ある音楽家に「何の音」と尋ねられ、さすが音楽家と感心した。
で、何の音かとよーく聴いてみると、高音すぎて何の音だかわからない。
たぶん、3つぐらいの音が鳴っているような。
シ・ミ・ソの和音(もっとたくさんの音かも)が、
ときどきうなりながら鳴っているような。
金属音みたいな、キーン、シーンという感じの音が、ずーっと鳴っている。

ワタシはもしかして蝙蝠みたく超音波が聴こえるのでは?と思ったが(お気楽なヤツ)、
耳栓しても聴こえる、つーか、耳栓したら一層よく聴こえるので、
外で鳴っている音ではなさそうだ。

不快な音ではないのよ。
どちらかというと、気持ちいい。
つい聴きほれてしまう…ことはないが、ヤな感じは全然しない。
コンサートなんかで、すごーく静かになると、そりゃもうよく聴こえる。

他の人の耳鳴りを聴いたことがないから、耳鳴りが普通どんなものか、よくわからない。

ガキの頃、眼科で目を洗浄してもらうときに、
ほっぺたに金属製の水を受ける容器を押し付けて、
水が流れる音が骨伝導で聴こえる、
あの流水音が好きだったのだが、
それとちょっと似ているかもしんまい。

でも、そういえば、静かな時って、こういうの聴こえるよね。
聴こえない?
昔、無音室に入って、耳が負圧になったような、
キーンとつきささるよう音が聴こえた。
私はそれを、静寂の、無音の音だと思ってた。
完全な無音状態でそういう音が聴こえるのは、生理的にふつうのことらしいが、
今、無音じゃなくて聴こえるこの音は、なんなんだろう?

病院に行けばいいんだけどさ。
いや、つい、ぐぐっと沈潜して、聴きいってしまうときがあるので、
聴こえているのがこういう音で、声とかじゃなくてよかったなーと、思うんだけどさ。
イクオ(『奇蹟』by 中上健次)みたく、声に聴き入ってしまうのは、さすがにまずかろう。

『音、沈黙と測りあえるほどに』じゃなくて、
『沈黙、音と渡りあえるほどに』って感じです、武満さん。
きいいいいいいん。

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