この映画を見る前の印象と、見終わった後ではまったくイメージが違う映画でした。
出だしも結構唐突な感じが。主人公リミニ(ガエル)と妻ソフィアが仲良く見えるにも関わらず、12年目で離婚を回りに告げるところから物語が動き出し。彼ら二人を暖かく見つめていたおばに、話しておくことがあると告げ、それは二人の離婚‥。おばは「赤ちゃんができたの?」と言うのに対して「離婚」を告げるわけだけれど、それは回りからしたら、二人が仲良く見えるというのに他ならないのだけれど。このあたりから、なんだか、こだわって見てしまいました。
たぶん原作を読めば、いろんな伏線などあると理解できるのですが、映画では説明なく、余りに唐突なので、またリミニのことをソフィアが好きなのが見ていても伝わってくるので、どうして離婚に同意できたのかなとか、いろいろ余計なことを考えながら見てしまいました。
ひょっとしたら、ソフィアはリミニを解放してあげるために、離婚に同意したのかなとも思えるのですが。
リミニは離婚後も、ソフィアに追い詰められ。他の女性と恋愛したり、他の女性に子供ができても、ソフアはリミニを追い詰めていく‥その様子は哀れに感じられるけれど、なんだかストーカーのようにも感じられ。
ベレンコ監督は、この映画で、人間性丸出しで、回りのことをまったく考えない、深く激しく、利己的な愛をとことん表現しているのかもしれません。
ここまで狂気じみた愛情、極限まで追いつめられるリミニ‥でも不思議なのは、ここまで追い詰められても、ソフィアに対して、まだ優しさのあるリミニ。男性は女性よりも優しいのでしょうか?
結末は意外にあっけなく。好き嫌いは別にして、かなり印象度の高い、男と女の映画でした。