「ゼラチンシルバーLOVE」を鑑賞しました。映画が始まってから役者が会話する
シーンまでいかに長いことか。それからも会話はほんのわずか。日常ではほんの
小さな音がとても際立って演出される。音楽は耳障りとも感じられる旋律。徹底
した美学。
そして濃密な映像美。写真を撮り重ねたかのような映像。身体の触れ合いはなけ
れどエロティック。色遣いも究めている。
謎の被写体の魅力に次第に惹かれ自身を失いつつある男。クールでエロティック
でミステリアスな女。
ところで、監督が72歳だと知り驚きを隠せない。この研ぎ澄ましたような感覚と
こだわり、不気味な雰囲気と完璧なほどの映像美。
少々退屈ではあったが、スタイリッシュで残酷でサスペンスフルな映像と音を、
映画としてではなく、美術館に楽しみにいったような感覚で鑑賞できると思います。
今回はレビューに参加させていただきありがとうございました。