過去と現在の重なりが絶妙。きれいで、生き生きとした才能豊かなサビーヌ。それが、五年間の病院生活後はよだれを垂らし、ソファーでねている。体重も激増。コミュニーケーションがうまくとれず、暴力や、ヒステリックな声を上げる。
若い頃のサビーヌがきれいであればあるほどその後のサビーヌの姿に悲しみを覚えずにはいられない。こんなにも人は変わっていますのだろうか?こんなにも自閉症に関して医療が発展していなかったのか。驚きを隠せなかった。
監督のサンドリーヌ・ボネールの初監督作品というから驚いた。彼女は妹だけでなく、その施設に暮らす青年や、その母、そしてそこで働くひとも写している。映像には非常にゆったりとした時間が流れ、悲しさとともに優しさ、暖かさも伝わってくる。サビーヌ自身が、若かった頃の自分をDVDを通してみるとき彼女は少し変わったような気がした。