「トロピック・サンダー」よりも通好み！！「エグザイル～絆～」よりも純正マカロニ・ウエスタン！！（但し男同士の友情は紙のように薄いので、いわゆる“義理モノ”とは違います）
「トロピック・サンダー」がハリウッドの現状をパロッた作品ならば、「サーチャーズ2.0」は古き良きウエスタン作品が全盛期だったその時代から脈々と続いてきた「映画作りそのもの」をパロッた作品だと思います。その時代に思い出の全てを詰め込んだ落ちぶれた男２人。あの時代については、あの時代の映画については、全てがマジ。そう、一点の妥協もナシさ。
彼らがマジになればなる程、又彼らがマジだからこそ、にやりとうなずいてしまう作品でした。
そして又紅一点のジャクリン・ジョネットの良かったこと！もう、どうしようもないんだよ、あの男たち（でも実の父親とその友達）。っていうのに振り回されるどころか、逆に手の平の上でころころと転がす様が、ダイナマイトなボディー（表現古くてすみません。なにせウエスタンなもので）と上手にミックスしていて、ホントにもう男って…という気持ちを見事に共感させてくれます。キレたら恐るべし、なのも、単なるヒステリックな扱いじゃなくて、気持ちが良かった。
…にしてもさ、人の記憶のなんと曖昧なことよ、なんと自己中心なことよ。誰も彼もが自意識過剰。思い出は脳内変換されて、天女の羽衣のように美しくたなびくものなのですね。
