「パリ」という街に対して抱いているイメージは人それぞれだと思います。
だだ、そうであっても、多くの日本人はその中にある種の羨望を含んでいるのではないでしょうか?
そのようなイメージを良い意味で裏切ってくれる作品が『PARIS』です。
死と向き合う元ダンサー、ピエールの視点から見つめたパリの物語ですが、鑑賞する中で誰に感情移入し、ふと気付くと自分自身の日常と重ね合わせて共感している…そんな不思議な魅力がこの作品にはあります。
一見、何の接点もないように見えるパリの人々がピエールを通して1つに繋がっていく過程がごく自然に、かつ、見事に描かれていました。
ラストでピエールが見出だす“生きる歓び”は、日常を生きる私達にとって当たり前のことなのかもしれません。
パリという街が舞台でなくても同じ“生きる歓び”を見出だすのかもしれません。
それでも、この作品に魅了されてしまうのは、何と言っても「パリ」だからだと私は感じました。
そういう意味では、パリという街自体の物語とも言えると思います。
映像では素敵なパリの街並みを堪能することが出来ます。
そして鑑賞後は、自分自身が生きて来た日々とこれから生きていく日々と重ね合わせて、大切な“何か”に気付きたくなると思います。
きっと、パリが人生とリンクするという魅力的な体験をすることが出来るはずです。