webDICEさんにご招待いただき試写へ行ってまいりました。
ありがとうございます。
今日は試写の前に、本作のイメージソング「trip-うちへかえろ-」を歌っている阿部芙蓉美さんのスペシャルライブがありました。
ありふれた日常をイメージして作った曲だそうです。
本作とコラボしているファッション・ブランドcucciaのお洋服で登場しました。
お休みの日の午後に、まったりと聞きたくなる癒し系の歌でしたね。
少女・ベティが主役なので、ほんわかした映画かと思っていたんですが、その予測は大ハズレ。
ベティは大人と同じ、いえいえ、大人以上に色々な事を考えていてそのピュアな子供の目線は意外にも鋭く、大人になって忘れていた様々な感情を思い出させてくれる映画でした。
子供ながらに意思のある表情と、好んで着ている色であろう、赤い洋服が印象的です。
姉との別れ、両親の喧嘩、ナッツのこと、同級生のことなどなど、10歳の少女は身の回りの事に、もの凄い不安と孤独を抱えるわけだけど、不安すぎるがゆえに、それを親や姉にストレートには言えないでいます。
そして、遠まわしに話したり、いつのタイミングで話すのが良いのか、小さい身体でホントに色々なことを考えていました。
無意識のうちに、親の顔色を伺って自分を繕う一面もあるんですね。
自分なりにシグナルを出してはいるけど大人は全く気づいていないから、
これが尚更、子供を不安にさせていくんだろうなぁ。
だれもわかってくれない。。。。って。
だから、イヴォンに「エリザベスと呼んでね」と言った裏には本当の自分をわかってほしいという想いが込められていたんだと思いました。
それと、本音と建前を使い分けて生きている大人にはドキッとするセリフがいくつかありました。
「パパがナッツを飼わないと言うなら、
私もお手伝いさんはローズじゃない人がいい」
「パパが変わった人を好きなのは、
本当に好きなの?それとも仕事だから?」
この二つのセリフには、子供ながらに大いに理不尽に感じている思いが集約されていると思います。
ベティの心理を知りながら観ている観客は、誰もが鋭いツッコミだと思うのではないでしょうか。
自分の部屋、姉の部屋での独り言や、イヴォンやローズには言える本音、そこからベティが不安に押しつぶされそうになっているのがわかり、大きな決断を下したシーンでは、私は思わず泣いてしまいました。
そして、小さいながらも守るべきものを見つけた少女の懸命さにも涙でした。
また、姉の後ばかり追いかけていたベティが、お化け屋敷のドアや病院へ通じる扉の向こう側を知ることで一歩成長するという物語の展開がとても良かったです。
パパに言ったラストのセリフからも、清々しい気持ちになりました。
少女の心理描写が素晴らしく、自分の少女時代を思い出しながら共感できる1本でした。