演劇集団キャラメルボックス「嵐になるまで待って」大阪公演初日見てきましたよ。
そのなか、2016年7月に開催した「演劇集団キャラメルボックスが気になっていた映画好きのための上映会+演劇入門」@元町映画館に参加した方から、姫路公演に部署で行くのとのお話いただき、大感謝!
当日上映したのは「広くてすてきな宇宙じゃないか」。
でも、そのイメージでご覧いただくとあれなので……。
■演劇集団キャラメルボックスらしくない?
サイコサスペンス……演劇集団キャラメルボックスとしては異色のストーリーに驚く人もいるみたいですな。
キャラメルらしくないといえばらしくないかもしれない。
だって怖いんだもん(汗)。死んでも幽霊にならないんだもん。
というわけで、同劇団の初体験タイトルとして知人にオススメしたことはなかったけど、実はキャラメルらしいと最近思うようになった。
※先月5回連続で「嵐になるまで待って 2002年版」DVD見まして。
なにしろ、映画版を完全に凌駕したと評判の「容疑者Xの献身」キャラメル舞台化でみせた息詰まる緊迫感なんかは「嵐になるまで待って」が原点なのではないか。※必見ですよ、DVD発売中
http://www.caramelbox.com/stage/yougishax/index.html
共にひそかに“純愛モノ”だし、スピーディーな展開や挑戦的な演出はむしろ際立っているのではないか。物語ばかりが評価されるキャラメルだけど、演出が実はおもろいと思うのだ。
特に「嵐になるまで待って」については本格的な手話を取り入れてから、さらに磨きがかかっている。
■コンプレックスは誰でもあるけども
原作は“舞台化不可能”を目指した小説「あたしの嫌いな私の声」。
ラジオドラマ版は聞き逃したけど、ふと気がつけば、舞台化決定!……って、何年前のハナシだ。
そのなか、キャラメル全作品を貫く、人が人を思う気持ち、なんだかんだとそれを結果として応援してしまう登場人物がわんさか。
たとえば、今回は、文字通り“自分の声が嫌い”な新人女性声優が主人公。
いわゆるコンプレックスとか、劣等感かな。
そんなもん誰にでもある。
外見だけでも、ぽっちゃり、身長、歯並び、色黒、肌荒れ、鼻の高さ、貧乳、一重まぶた、顔の大きさ、くせ毛、恋愛経験……などなどてんこ盛り。
中身まで言い出したらキリがない。
ほんで、主人公はとあることから“声”を奪われるわけ。
話したくても話せないーーー。
自分の嫌いな“声”なのだから、なくても万々歳\(^o^)/
そのままでも愛されるならば最高じゃないか!
……なんて世の中は甘くない。
ちと悲しい。すべて“めでたしめでたし”ではないのが“キャラメル異色の代表作”とも評されているのかもしれないけど。
やっぱりキャラメル。
ちゃんと希望がある。
嵐が過ぎれば、そこは晴天なのだ。
■京都アニメーション「聲の形」はどう?
蛇足ながら、ただいまアニメ歴史書き換え中の「君の名は。」と、演劇集団キャラメルボックスを比較する人がなんかここ最近多い。
新海誠的には「ほしのこえ」から見ているので、そう指摘されて「なるほど、確かに」と感じる。
※ただし、新海作品でよく指摘される“童貞感”はない。
ならば、京都アニメーション「聲の形」と比較して欲しいのだー(まだ見てないけど)。
http://koenokatachi-movie.com
いまのところ周りでは「君の名は。」「聲の形」と両方見た人は、ほぼ100%「聲の形」のほうが良かったという。
まして、演劇集団キャラメルボックス「嵐になるまで待って」と同じく“こえ”がテーマなのだ。
同じ時期にやっているなんて、演劇集団キャラメルボックスはまだまだ“なにか”持っているなぁと思った2016年夏でした。