2008-06-09

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6月6日月島のブロードメディア・スタジオ試写室にて鑑賞。
『エクソシスト』のウィリアム・フリードキン監督の作品なので、いったいどういう霊や化け物が出てくるのかと思いながら見始める。
が、霊も悪魔も怪物も出てきませんでした。(笑)
映画の冒頭で印象的なのは、ヘリコプターのローターが回るような低周波の音。
不気味な音が聞こえる中、アグネスが住むモーテル近辺が遠景で映しこまれる。
何度も映されるこの映像がひとつのキーと理解しました。
モーテルがあり、まわりには何にもない。
ピーターがアグネスに言い募るような軍の監視体制があるようには見えません。
物語は、ほぼこのアグネスがDV夫をさけて住むモーテルの中だけで進行。
アグネスにかかってくる無言電話。
「Hello?Hello?」(もしもし?もしもし?)
「・・・・・・・・・」(無言)
「Bastard!」(くそったれ!)
刑務所に入っているDV夫のジェリーではないかと疑うアグネス。
ふたりの間の一人息子は何年か前に失踪している。
不気味な雰囲気が漂う中、R.C.がピーターという謎の人物を連れてくる。
DV夫が戻ってくるのではないかという不安と人恋しさからピーターに宿を貸してしまうアグネス。
最初は普通に見えたピーター。
アグネスとベッドインした後、シーツにムシ(BUG)がいるといい始める。
最初は何もいないと言ってピーターを相手にしないアグネス。
このあたりは、ふたりだけの長まわしのシーンが続きやや驚き。
見えない虫をつまんだりかきむしったりする演技が特筆もの。
葉の詰め物にムシがついていると言って歯を引っこ抜く凄絶なシーンもある。
血だらけになりながらふたりでムシを退治しようとする。
オフ・ブロードウェイの演劇の映画化というだけのことはある見事な演技。
そのうちにアグネスもピーターの狂気に巻き込まれムシをかきむしるようになる。
で、最後の怖い結末を迎える。
怖いモノは出てこないんですけど本当に怖いです。
一番怖いのは、人間の創り出す狂気だな~と寒い思いにとらわれました。
気になったのは、無言電話を誰がかけてきたのかということ。
恐怖感をあおりたてるためだけのものだったのでしょうか?

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