2010
4月
15
祖母の姉は、私が生まれる数年前に離婚したらしい 大きな平屋に一人で住んでいて、庭には青唐辛子や白粉花が地面を覆い隠すほどに茂っていた 物心ついた頃からマンション族だった私の目には、風が吹くと歌う引き戸や鼈甲色に熟した柱が、非常に新鮮に映った 彼女の住む家までにある長いトンネルを抜ける車の中で、今日は裏戸の縁に座ってツインクルを食べようとか、ダイアル式テレビのつまみを回そうとか、母の...
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ゲストブロガー
“嘘つく振りをするのは、本当はどうでもいいからで、 体裁や同情を以て動く私はツマランやつです”