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  • 佐野 亨さんの日記


佐野 亨さんの日記

  • 2010

    5月

    24

  • 唐組第45回公演『百人町』

    近年の唐作品のなかでは小品であるが、新宿百人町のラーメン屋とギリシャ神話のアキレウス、そして永井荷風をも横断する、唐さんのスリリングな文学世界に舌を巻く。 赤松由美の「肉感」を最大限に活かした見せ場が秀逸。 稲荷との絡みは、昨年の「盲導犬」では少々ミスマッチな印象があったが、今回は抜群(藤井由紀、久保井研があえて脇にまわり、細かい芝居で見せているのに驚いた)。 そして、ひさしぶりの大...


  • 2010

    3月

    28

  • 宇多丸、町山対談から考える

    毎週愛聴している「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」。 昨日の放送終了後(「時をかける少女」特集は秀逸だった!)、ポッドキャスト限定で『ハート・ロッカー』をめぐる宇多丸さんと町山智浩さんとの討論が配信された。 http://www.tbsradio.jp/utamaru/podcast/index.html それを聴いて(というかそれをきっかけにして)、僕なりに思うところが...


  • 2010

    2月

    24

  • 三島由紀夫/赤報隊

    大和市生涯学習センターにて。 毎回、映画を観るという行為の原初的な猥雑さを教えてくれる文樹映画であるが、今回の『三島由紀夫』『赤報隊』は、はっきり言って別格だ。 「政治と暴力」という本題が設けられた二部作。すでにして大河ドラマの趣。 文樹演じる元陸軍中野学校の士官・渡辺文也が、住友銀行の嘱託社員として雇われるところから物語は始まる。じつはこの男、三島由紀夫の自衛隊市ヶ谷駐屯地乱入事件...


  • 2010

    2月

    05

  • 『フォロー・ミー』上映記念トークイベント

    明日から始まる「午前十時の映画祭」。 109シネマズららぽーと横浜は、『フォロー・ミー』で初日の幕を切りますが、それにあわせて、日曜日に急遽、トークイベントを実施することになりました。 僕も出演しますので、よろしければおこしください。 ※横浜ではなく、高田馬場でのイベントですので、お間違えなく。 <「フォロー・ミー」上映記念トークイベント> [日程] 2/7(日) 18:...


  • 2010

    1月

    31

  • フォロー・ミー

    「午前十時の映画祭」(2月6日より全国東宝系映画館で開催)で上映される『フォロー・ミー』の作品紹介を書きました。 わがオールタイム・ベストの一本です。 http://intro.ne.jp/contents/2010/01/31_1855.html


  • 2009

    12月

    09

  • 伊藤高志回顧展

    イメージフォーラムにて。あと2日。 http://www.imageforum.co.jp/ito/screenings.html いま日本で上映されているすべての映像のなかで、最も刺激的な作品群。 12月18日にはDVDも発売されるが、やはりこれはスクリーンで体験しておくべきだろう。


  • 2009

    11月

    01

  • 劇団唐ゼミ第15回公演『下谷万年町物語』

    浅草花やしき裏の特設テントにて。 数年前に木馬亭で上演された新宿梁山泊の『風のほこり』もそうだったが、浅草で体験する唐芝居には、言い知れぬ「呪力」がやどる。 11月8日まで、あと6公演。 http://www.karazemi.com/


  • 2009

    10月

    24

  • 唐組第44回公演『盲導犬』

    二日連続で雑司ヶ谷鬼子母神へ。 藤井由紀さんと赤松由美さんのWヒロインが見どころ。 スレンダーな藤井さんと肉感的な赤松さん。赤い女と黒い女。 幸薄な女を持ち前の美貌で魅せる藤井さんに対して、無骨な印象の強かった赤松さんが驚くほど色っぽい横顔を見せる。天晴れ!


  • 2009

    10月

    12

  • ギリヤーク尼ヶ崎「祈りの踊り」

    新宿三井ビル前広場にて、ギリヤーク尼ヶ崎の青空公演を見る。 隣に立ってた子どもが「キリヤ、キリヤ」と叫んでた。 次回公演が知りたい人は、以下のサイトでご確認を。 http://gilyakamagasaki.com/ 下の動画は、いつぞやの「念仏じょんがら」。


  • 2009

    10月

    01

  • 葦牙-あしかび- こどもが拓く未来

    映画学校時代の同級生であるプロデューサーの都鳥拓也・伸也兄弟から案内をもらい、中野まで試写を観に行ってきた。 監督は小池征人。前作『いのちの作法』と同様、岩手県の小さな共同体(今回は盛岡市にある児童養護施設)に密着して撮りあげた記録映画だ。 入居児童の7割を占めるという被虐待児、子どもたちの親・親族、施設のスタッフそれぞれに話を訊き、その交流や葛藤を見つめている。 「なんだか暗そう」...


  • 2009

    9月

    09

  • ついに晶文社が

    文芸部門を廃止するらしい。 先ほど仲俣暁生さんのブログで知り、そこから遡って、竹熊健太郎、都築響一、岡崎武志各氏のブログで詳細を読む。 http://d.hatena.ne.jp/solar/20090909 晶文社が年々そのカラーを失いつつある、というのは、数年前から坪内祐三などがたびたび言及してきたこと。おそらく、そのなかでも何人かの気骨ある人たちが文芸部門を支えていたのだろうが...


  • 2009

    7月

    09

  • 平岡正明さん死去

    岡留安則の日記で「危篤状態」と書かれていて、まさかと思ったが……。 http://www.asahi.com/obituaries/update/0709/TKY200907090217.html 竹中労、太田竜とともに「三馬鹿ゲバリスタ」と呼ばれていたことは有名だが、遅れてきた世代である僕のような読者にとっては、種村季弘、草森紳一、海野弘らとならぶノンジャンル系雑文の書き手という印象が強...


  • 2009

    6月

    24

  • 妻の貌

    素晴らしい作品。 http://www.tumanokao.com/ 広島に住む82歳の映像作家・川本昭人が、過去の自分の作品を織り込みながら、原爆症の妻の姿を淡々と映し出す。 キャメラはつねに寄り添い、見つめ、対話する。 家族だから当たり前、と思うのは浅薄で、じっと見据えること、それを習慣とすることによって、ついに生と死の一瞬の交錯点が画面に定着される。 川本昭人は、まるで...


  • 2009

    6月

    15

  • 唐組第43回公演『黒手帳に頬紅を』

    バーミィーのママに予約していただき、楽日に行ってきました。 黒手帳、金粉ショー、夢野久作……。 去年の「ジャガーの眼」のくるみも秀逸だったけれど、ここ最近、急激に凄みを増している赤松由美のヒロインぶりから目が離せない。 昨夜は一時、物凄い雨でテントがへこんでた。 増設した端の席が浸水してしまい、休憩時間に団員たちがシャベルで水たまりを埋める場面も。 戯曲『黒手帳に頬紅を』は、...


  • 2009

    5月

    28

  • 映画『花と兵隊』

    映画学校の同期である松林くんの初劇場作品。 タイ・ビルマの未帰還兵を取材した力作ドキュメンタリーです。 http://www.hanatoheitai.jp/ 僕も「編集協力」としてクレジットされていますが、ラッシュを観て感想を述べただけで、ほとんどなにもしてません。ひとえに松林くんと編集の辻井くんのお手柄。 7月、渋谷のシアター・イメージフォーラムにてロードショー。 応援よろし...


  • 2009

    3月

    31

  • YEBI大王2009

    知人の役者さんにお誘いいただき、馬車道公演を観てきました。 http://www5a.biglobe.ne.jp/~s-ryo/09yebi/09yebi.html 圧倒的なスケールの芝居。金さんも言ってたけど、もっと大きなコヤならさらに凄かったかも。 役者もみごとだが、パンソリと生演奏がまた素晴らしい。 終演後には、横浜の夜にふさわしい特別ステージも観ることができて大満足。 こ...


  • 2009

    2月

    18

  • 『へばの』木村文洋監督インタビュー

    「INTRO」にアップされましたので、ぜひご一読ください。 http://intro.ne.jp/contents/2009/02/17_2345.html ポレポレ東中野でのレイトショーは3月6日まで、連日21:10より。 トークショーもあります。 http://teamjudas.lomo.jp/event02.html 3月7日からは、大阪プラネットプラスワンで上映が始まり...


  • 2009

    2月

    04

  • フリーの教科書

    岸川真『フリーの教科書―生き延びるための読書』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860420578/tsreclin-22 一見ブックガイドのようだが、そこはひねくれ者の著者のこと。自伝エッセイとも私小説ともつかない多義的な面白さでグイグイ読ませる。 いや、書いてあることは面白いじゃすまされない悲惨なものだ。血が滲み、背筋が凍るような話...


  • 2008

    12月

    23

  • 劇団唐ゼミ第14回公演『ガラスの少尉』

    馬車道Bank ART Studio NYKでの公演を観てきた。 http://www.karazemi.com/ 1973年に書かれたラジオドラマの改作。唐十郎ならではの「乾いたセンチメンタリズム」が色濃く感じられる作品だ。 昨年の『鐵假面』につづき、ヒロイン椎野裕美子の美しさと気迫に目を見張った。唐組の藤井由紀、赤松由美とならんで、唐世界になくてはならない女優になりつつある。 ...



佐野 亨

ゲストブロガー

佐野 亨