(写真左より)磯崎義知さん、皆川暢二さん、川平慈英さん、田中征爾監督。
世界各国の映画祭で高い評価を獲得している自主製作映画『メランコリック』の一般試写会イベントが7月26日、ユーロライブ(東京都渋谷区)にて開催され、監督・脚本を務めた田中征爾、主演兼プロデユーサーの皆川暢二、出演兼アクション構成・演出の磯崎義知、さらにスペシャルゲストとして、本作のキャスト陣と親交の深い俳優の川平慈英が登壇。上映後のトークコーナーでは、「この映画は世界を席巻する日本代表! サポーターとして応援したい」と力強く語った。
銭湯が重要な舞台となる本作は、第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門監督賞、イタリアの第21回ウディネファーイースト映画祭で新人監督賞作品賞など数々の映画賞を獲得した、田中監督の長編映画デビュー作。東京大学を卒業しながら、ニート生活を送る和彦(皆川)は、高校時代の同級生・百合(吉田芽吹)に勧められ銭湯でアルバイトを始める。だが、一見平和そうなその銭湯は、閉店後の深夜、風呂場を「人殺しの場所」として貸し出していた…。
5年前、下北沢の小劇場で、皆川と舞台共演(『笑いの神様』)して以来、親交を深めてきた川平は、「僕の劇団にいる矢田政伸(ヤクザの田中役)から、“皆川くんが映画を作ったので、川平さん、観に行ってあげてください”と言われ、先月、試写に足を運んだんですが、本当にノーガードで、完全にノックアウトされた」と絶賛。
ゲストに登場した川平慈英さん。
「奇想天外な展開もそうですが、何よりも感動したのが役者の演技。百合役の芽吹もうちの劇団員で、顔見知りばかりだったんですが、彼らの持っている素晴らしい一面を田中監督が見事に引き出してくれた。映画やテレビに出ているメジャーな役者ではないけれど、こんなにいい演技ができるんだと。それがとってもうれしかった」と感慨深げ。
さらに、「ラストシーンも、オイオイオイ、こういうことかと。終わったらすぐに兄貴のジョン(・カビラ)に電話しましたね。 “ すげぇいい映画だぞ ” って(笑)」と興奮気味に述懐した。
また、皆川から「慈英さんが演じるなら、どの役をやりたいですか?」と問われた川平は、「僕は、矢田がやったヤクザの田中とかいいですね。どうしてもハイテンションでムムッ~みたいなイメージがあるので(笑)、ヒールとか全然違うものをやってみたい」と回答。さらに、「もし、パート2を作る予定があるなら、沖縄出身の濃い顔の奴、どうですか? 僕、本当に悪役、いい~んです!」と、自身のギャグを盛り込みながら、田中監督に詰め寄る一幕もあった。
イタリアのウディネファーイースト映画祭では大盛り上がりを見せたという本作。世界に通じる映画として、「ヨーロッパやアメリカでも絶対に受けると思う」と太鼓判を押す川平。 「世界を席巻する日本代表として、思わず応援したくなる作品。こんなに楽しいホラーでサイコなエンタテインメント作品は他にないと思うので、ぜひ、皆さんのお力添えで盛り上げていただければ!」と力強く呼びかけていた。
(取材・文:坂田正樹)
映画『メランコリック』
2019年8月3日より、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、イオンシネマ港北ニュータウン、イオンシネマむさし村山ほか全国順次公開
バイトを始めた銭湯は、深夜に風呂場で人を殺していた――!?
名門大学を卒業後、うだつの上がらぬ生活を送っていた主人公・和彦。ある夜たまたま訪れた銭湯で高校の同級生・百合と出会ったのをきっかけに、その銭湯で働くこととなる。そして和彦は、その銭湯が閉店後の深夜、風呂場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。そして同僚の松本は殺し屋であることが明らかになり……。
監督・脚本・編集:田中征爾
出演:皆川暢二、磯崎義知、吉田芽吹、羽田真 、矢田政伸 、浜谷康幸、ステファニー・アリエン、大久保裕太、山下ケイジ、新海ひろ子、蒲池貴範 他
撮影:髙橋亮
助監督:蒲池貴範
録音:宋晋瑞、でまちさき、衛藤なな
特殊メイク:新田目珠里麻
TAディレクター:磯崎義知
キャスティング協力:EIJI LEON LEE
スチール撮影:タカハシアキラ
製作:OneGoose
製作補助:羽賀奈美、林彬、汐谷恭一
プロデューサー:皆川暢二
アソシエイトプロデューサー:辻本好二
宣伝:近藤吉孝(One Goose)
ポスターデザイン:五十嵐明奈
後援:V-NECK、松の湯
宣伝協力:アップリンク
配給:アップリンク、神宮前プロデュース、One Goose
2018年/カラー/日本/DCP/シネマスコープ/114分