『秘色(ひそく)』より
京都市三条にある最大9席限定、世界初の舞踏専用劇場「KYOTO舞踏館」が、2017年7月に開館一周年を迎える。運営するART COMPLEXグループによると、大々的な宣伝をしていないにも関わらず、急速に口コミで広がり、来場者の実に約8割は外国人。これまでに世界53ヵ国からの人々が来場した(ヨーロッパ26ヵ国、北中南米9ヵ国、東南アジア13ヵ国)。
開館以来、海外からの来場者だというその理由について広報の高畠さんは次のように語る。「来場のキッカケとしては、主にgoogleのアドワーズ広告を見た方やKyoto Visitor's Guideなどの海外向けフリーペーパーでお取り上げ頂いた事がキッカケとなっているようです。また、リピーターの方も少しづつですが見受けられるようになりました」。
「KYOTO舞踏館」は、50年代末に起こった日本オリジナルの前衛舞踊「舞踏」の鑑賞機会の創出と、踊り手の継続的育成によって舞踏文化を守り、発展させていくことを目指し、この1年間で毎週木曜上演『秘色(ひそく)』と毎週火曜上演『黄泉の花』という2作品を1日2回・一週間で計4公演を継続的に上演してきた。『秘色』と『黄泉の花』の2公演では客席の形状が異なっており、『秘色(ひそく)』は最大8席、『黄泉の花』は最大9席となっている。
現在は火曜と木曜のみの開館だが、高畠さんは「公演数に関しましては将来的にもっと増やしていき、『京都に行けば舞踏が観れる』という状況を生み出すことを目指しております」と意欲を見せる。
さらに今年は、週3日の上演スケジュール実現を見据え、3作目の創作をスタートするという。「現場でご来場されたお客様から感想をお伺いする限り、日本で本場の舞踏を観たいと思っても公演が行われておらず、そんな中、弊劇場がロングランで公演を実施していてくれたから鑑賞することが出来た、とお喜び頂く事は少なくありません。やはり長期公演を行っているということは強みの一つだと考えております。3作目もこの劇場の特性を活かしたものになると思います」ということなので、期待したい。
「KYOTO舞踏館」現在の上演作品
『秘色(ひそく)』
作・舞踏/今貂子
音楽/おかえり姉妹(長唄三味線他)
照明デザイン/岩村原太
公演日時:毎週木曜日 18:00-、20:00-(2回公演、上演時間約50分)
開演20分前より、受付開始・開場
※2016年7月7日(京都舞踏館こけら落とし)公演初日、ロングラン上演中
『黄泉の花(よみのはな)』
作・舞踏/由良部正美
ワキ/稲垣美輪子
公演日時:毎週火曜日 18:00-、20:00-(2回公演、上演時間約50分)
開演20分前より、受付開始・開場
※2017年2月14日公演初日、ロングラン上演中
チケット料金 :
一般:現行≪8月末まで≫3,000円 → 改訂後≪9月以降≫3,800円
学生:現行≪8月末まで≫ 2,500円 →改訂後≪9月以降≫3,000円
企画製作:ART COMPLEX
主催:有限会社一九二八(ART COMPLEX 1928)
協力:舞踏カンパニー倚羅座
協賛:滋慶学園グループ
※座席は指定席ではありません。
予約は公式サイトまで
「KYOTO舞踏館」京都市中京区三条通室町西入衣棚町51-2