左より『光のノスタルジア』『ノーカントリー』『フレンチアルプスで起きたこと』
アメリカの「ニューヨーク・タイムズ」紙の企画で、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ソフィア・コッポラ、アレックス・ギブニー、アントワーン・フークア、ポール・フェイグ、ブレット・ラトナーという6名の監督が選ぶ「21世紀のフェイバリット映画」が6月9日に発表された。それぞれの監督が、2000年以後に公開されたお気に入りの映画についてコメントを寄せている。
現在『メッセージ』が公開中のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、2007年に公開された『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』（ポール・トーマス・アンダーソン監督）『ノーカントリー』（ジョエル＆イーサン・コーエン監督）の2作を「公開当時から現在まで影響を受け続けている」と明かしている。
『The Beguiled』（今冬日本公開）で第70回カンヌ国際映画祭の監督賞を受賞したソフィア・コッポラ監督は、同じくカンヌでパルムドールを獲得したリューベン・オストルンド監督の前作『フレンチアルプスで起きたこと』（アップリンク渋谷にて6月16日まで上映中）を「俳優たちの演技が素晴らしい」と絶賛。
『ミスター・ダイナマイト: ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』のアレックス・ギブニー監督は、「私は『ベスト10リスト』や『偉大な映画』といった形容が好きではない」と前置きしたうえで、「思いがけず感動した映画」をセレクト。そして、パトリシオ・グスマン監督『光のノスタルジア』、アリ・フォルマン監督『戦場でワルツを』、ジェームス・ロングリー監督『イラクのカケラを集めて』を「革新的なドキュメンタリー3作」として挙げている。
「あらゆるジャンルの映画が好きだ」というアントワーン・フークア監督は、『マグニフィセント・セブン』ほか多くの作品でタッグを組むデンゼル・ワシントンの監督・主演作『フェンス』をはじめ10作をチョイス。
『ゴーストバスターズ』のポール・フェイグ監督は、『ナポレオン・ダイナマイト』『ラブ・アクチュアリー』といった作品がお気に入り。「私はまったくシニカルじゃない映画監督。感動的なエンディングやロマンス、観終わって幸せな持ちになる映画が好きだ」とコメントしている。
そして『ラッシュアワー』『ヘラクレス』のブレット・ラトナー監督が選んだ作品は、「最も素晴らしいドキュメンタリー」と賞賛する『くたばれ！ハリウッド』から『ハングオーバー!』まで、幅広いラインナップとなっている。
各監督の詳しいコメントは「ニューヨーク・タイムス」誌のページまで。
また「ニューヨーク・タイムズ」紙は、批評家とゲストによる「21世紀の映画ベスト25〈暫定版〉」も発表。こちらには1位の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に続いて宮﨑駿監督の『千と千尋の神隠し』が2位にランクインしている。
【New York Times】
Six Directors Pick Their Favorite Films of the 21st-Century
https://www.nytimes.com/2017/06/09/movies/directors-favorite-movies.html
「ニューヨーク・タイムス」誌掲載・「21世紀のフェイバリット映画」
【ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督】
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』（2007年）
『ノーカントリー』（2007年）
『預言者』（2010年）
『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』（2014年）
『籠の中の乙女』（2010年）
『ドッグヴィル』（2004年）
『トゥモロー・ワールド』（2006年）
『インセプション』（2010年）
『アモーレス・ペロス』（2001年）
【ソフィア・コッポラ監督】
『フレンチアルプスで起きたこと』（2014年）
『白いリボン』（2009年）
『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』（2007年）
『愛より強く』（2005年）
『パパVS新しいパパ』（2015年）
『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』（2014年）
『Mr.インクレディブル』（2004年）
『エヴァとステファンとすてきな家族』（2001年）
『グリズリーマン』（2005年）
『イーダ』（2014年）
『フィッシュ・タンク』（2010年）
『エクス・マキナ』（2015年）
【アレックス・ギブニー監督】
『シティ・オブ・ゴッド』（2003年）
『フィクサー』（2007年）
『パンズ・ラビリンス』（2006年）
『ノーカントリー』（2007年）
『グランド・ブダペスト・ホテル』（2014年）
『I Am Not Your Negro』（2017年）
『光のノスタルジア』（2011年）
『戦場でワルツを』（2008年）
『イラクのカケラを集めて』（2006年）
『グリズリーマン』（2005年）
『ハート・オブ・ドッグ ～犬が教えてくれた人生の練習～』（2015年）
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』（2015）
【アントワーン・フークア監督】
『フェンス』（2016年）
『スラムドッグ$ミリオネア』（2008年）
『ハッシュパピー ～バスタブ島の少女～』（2012年）
『ゼロ・ダーク・サーティ』（2012年）
『アバター』（2009年）
『ミュンヘン』（2005年）
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』（2007年）
『戦場のピアニスト』（2002年）
『イースタン・プロミス』（2007年）
『グラディエーター』（2000年）
【ポール・フェイグ監督】
『ナポレオン・ダイナマイト』（2004年）
『ムーラン・ルージュ』（2001年）
『シング・ストリート 未来へのうた』（2016年）
『デッドプール』（2016年）
『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』（2013年）
『アメリ』（2001年）
『ラブ・アクチュアリー』（2003年）
『シングルマン』（2009年）
『月に囚われた男』（2009年）
『007 カジノ・ロワイヤル』（2006年）
『裸足の季節』（2015年）
【ブレット・ラトナー監督】
『くたばれ！ハリウッド』（2002年）
『戦場のピアニスト』（2002年）
『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』（2009年）
『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』（2006年）
『ソーシャル・ネットワーク』（2010年）
『天国の口、終りの楽園。』（2002年）
『セクシー・ビースト』（2001年）
『記憶の棘』（2004年）
『Roman Polanski : Wanted and Desired』（2008年）
『キル・ビル』（2003年）
