映画『Visages Villages(原題)』より、アニエス・ヴァルダ(右)とJR(左)
5月17日からフランスで開催され、5月28日に閉幕を迎える第70回カンヌ国際映画祭で、アニエス・ヴァルダ(88歳)とJR(34歳)の共同監督作品『Visages Villages(原題)』が、今年カンヌ国際映画祭で正式出品されたドキュメンタリー20本のなかからサンドリーヌ・ボネール審査員長らによって選ばれる最優秀ドキュメンタリー賞、ルイユ・ドール(“金の眼”賞)を受賞した。本作はアップリンク配給により2018年に日本公開する。
映画『Visages Villages(原題)』海外版ポスター
「ヌーヴェル・バーグの祖母」とも呼ばれる女性映画監督の先駆であり、2015年にはカンヌ国際映画祭で史上6人目となるパルム・ドール名誉賞を受賞したアニエス・ヴァルダ。そして、一般の人が自分のポートレートをプロジェクトのホームページに送り、大きなポスターになって返送されてきた写真を好きな場所に貼る、という参加型アートプロジェクト『Inside Out(インサイド・アウト)』で知られるフランス人アーティストJR(ジェイアール)。『Visages Villages(原題)』は、そんなふたりがフランスの田舎を旅しながら、村々に住む市井の人々と接し作品を一緒に作り残していくロード・ムービースタイルのドキュメンタリー。アウト・オブ・コンペティション出品作ながら、並みいるコンペ出品作を押しのけ「今年のカンヌで最高の1本」との評が出るほど絶賛された。
カンヌ国際映画祭に2015年から新設された独立賞。3回目となる今年はサンドリーヌ・ボネールが審査委員長、ルーシー・ウォーカーなど4人が審査員を務めた。コンペティション、ある視点部門、カンヌ・クラシックス、監督週間、批評家週間、特別上映、アウト・オブ・コンペティションに出品されている20本の長編・短編のドキュメンタリーから、『Visages Villages(原題)』が最高賞のルイユ・ドールに、Emmanuel Gras監督の『Makala』が特別賞に選ばれた。
【これまでの受賞作品】
2016年 ルイユ・ドール:『Cinema Novo』(Eryk Rocha監督)/特別賞:『The Cinema Travelers』
2015年 ルイユ・ドール:『アジェンデ』/特別賞:『イングリッド・バーグマン 愛に生きた女優』
映画『Visages Villages(原題)』
2018年日本公開
監督:アニエス・ヴァルダ&JR
出演:アニエス・ヴァルダ、JR
配給・宣伝:アップリンク
2017年/フランス/89分