映画『エンドレス・ポエトリー』 © Pascale Montandon-Jodorowsky
2014年に23年ぶりの新作『リアリティのダンス』と、製作されなかった幻の超大作ホドロフスキー版「DUNE」の顛末を追ったドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』が公開し、往年のファンだけでなく若者をも巻き込みブームを呼んだ鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督の最新作『エンドレス・ポエトリー』が11月18日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷にて公開されることが決定した。
3月6日(月)渋谷ユーロライブにてジャパンプレミアが行われ、クラウドファンドの出資者と関係者で場内は満席。アレハンドロ・ホドロフスキー監督からのメッセージ動画に続き『エンドレス・ポエトリー』が日本初上映され、「瑞々しくピュアで多幸感に満ちた青春映画の傑作!」「すごい!前作以上に人の生(性)を超肯定するサイコマジック・ボム!」「創作意欲、情念、情熱、生きるエネルギーに感服」など絶賛の声が相次いだ。
本作は、フランス、チリ、日本の共同製作。日本からはアップリンクが参加している。クラウドファンディングサイト「キックスターター」「インディゴーゴー」には世界中の新作を熱望する支援者約9,000人から日本円にして約9,000万円が集まった。
公開決定に伴い、映画を応援してくれる日本の観客に向けてホドロフスキー監督のメッセージも公開になっている。
【アレハンドロ・ホドロフスキー監督からのメッセージ】
親愛なる皆さん
今日、この場に行けなくて非常に残念です。
「エンドレス・ポエトリー」の制作は、本当に途方もなく大変な仕事だったため、くたびれました。しばらく旅は無理です。でも心は一緒にいます。
私は心から日本の文化を愛しています。
日本食も、日本の禅宗のことも。思うにきっと前世は日本人でした。だからこそうれしいのです。
映画を作るために多くの方が助けてくれたことが。それはまさに芸術的な表現方法です。
でも厳然たる現実を基礎としたものです。映画の中でご覧になるすべての場所は、私が若いころに重要な経験をした場所です。
同じ場所、同じ家、まったく同じです。起こった出来事もすべて。思うに、アートは限界を持つべきじゃない。でも現実的な土台が必要なのです。
あなた方に感じる友情も現実のものです。
ありがとう
アレハンドロ・ホドロフスキー
『エンドレス・ポエトリー』は、ホドロフスキー監督の自伝的作品『リアリティのダンス』の続編となるもので、舞台は故郷トコピージャから首都サンティアゴへと移ります。様々な悩みや葛藤を抱えた青年時代のホドロフスキーが当時チリで出会った詩人、アーティスト、パフォーマーなど、アヴァンギャルドなカルチャー・シーンの人々との交流を、虚実入り交じったマジック・リアリズムの手法で描く。
映画『エンドレス・ポエトリー』 © Pascale Montandon-Jodorowsky
前作と同じく、ホドロフスキーの長男であるブロンティス・ホドロフスキーがホドロフスキーの父親を、青年となったホドロフスキーを、末の息子であるアダン・ホドロフスキーが演じる。また、撮影監督は『恋する惑星』など、手持ちカメラの独特の映像で知られるクリストファー・ドイル。ウォン・カーウァイをはじめ、ジム・ジャームッシュやガス・ヴァン・サントなど様々な監督の作品に携わってきたドイルが、今回初めてホドロフスキー監督とタッグを組んでいる。
映画『エンドレス・ポエトリー』 © Pascale Montandon-Jodorowsky
『エンドレス・ポエトリー』
2017年11月18日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
物語は、ホドロフスキー一家が故郷トコピージャから首都サンティアゴへ移住するところから始まる。青年アレハンドロは、自分への自信のなさと抑圧的な両親との葛藤に悩み、この環境から脱し何とか自分の道を表現したいともがいていた。ある日、アレハンドロは従兄リカルドに連れられて、芸術家姉妹の家を訪れる。そこでは、古い規則や制約に縛られない、ダンサーや彫刻家、画家、詩人など若きアーティストたちが共に暮らしていた。彼らと接していく中でアレハンドロは、それまで自分が囚われていた檻から、ついに解放される。エンリケ・リンやニカノール・パラといった、後に世界的な詩人となる人物たちとの出会いや、初めて恋に落ちたステジャ・ディアスとの会遇によって、アレハンドロの詩的運命は、新たな未知の世界へと紐解かれていく。
監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
撮影:クリストファー・ドイル
出演:アダン・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、ブロンティス・ホドロフスキー、レアンドロ・ターブ、イェレミアス・ハースコヴィッツ
編集:マリリン・モンシュー
ダビング:ジャン=ポール・フリエ
ダビング補:ベンヤミン・ビヨー
録音:サンディ・ノタチアニ、グアダリュプ・カシユス
音楽:アダン・ホドロフスキー
衣装:パスカル・モンタンドン=ホドロフスキー
プロダクションデザイン:アレハンドロ・ホドロフスキー
美術:パトリシオ・アギュラー、デニス・リア=ラティノフ
美術補:佐々木尚
エグゼクティング・プロデューサー:アレハンドロ・ホドロフスキー、モイセス・コシオ、アッバース・ノクハステ、浅井隆
プロデューサー:ハビエル・ゲレロ・ヤマモト
© Pascale Montandon-Jodorowsky
2016年/フランス、チリ、日本/128分/スペイン語