90年代に世界を驚かせた天才美少年作家J.T.リロイをめぐる事件を描くドキュメンタリー『Author: The JT Leroy Story』が『作家、本当のJ.T.リロイ』の邦題で、4月8日(土)より新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほかにて公開されることが決定、併せてビジュアルが公開された。
映画『作家、本当のJ.T.リロイ』チラシビジュアル
1996年に突如文壇に現れ、女装の男娼となった過去を綴った自伝『サラ、神に背いた少年』で時代の寵児となった謎の天才美少年作家、J.T.リロイ。その才能にほれ込み、映画監督のガス・ヴァン・サントは『エレファント』の脚本を依頼。二作目の著作『サラ、いつわりの祈り』はアーシア・アルジェントによって2004年に映画化された。しかし、2006年ニューヨーク・タイムスの暴露記事によって事態は一変する。天才少年J.T.リロイという人物は実在すらしない、その正体はサンフランシスコ在住の40歳女性、ローラ・アルバートだったというのだ。世界を驚かせたこの事件を、彼女自身の言葉と、記録されたガス・ヴァン・サント、トム・ウェイツ、コートニー・ラブ、ビリー・コーガンらとの通話音声や留守電メッセージによって解剖していく。
監督を務めるのは、『悪魔とダニエル・ジョンストン』のジェフ・フォイヤージーク。フォイヤージーク監督は、“作家”であるアルバートに宿る抑えきれない創作のエネルギー、それによって紡がれる壮大で複雑なJ.T.リロイの世界を明らかにしていく。その真実は今も多くの人を困惑させるが、自分以外の人間になりきって語ることは、彼女にとって自己を表現する唯一の方法だった。
一見、風変わりなこの事件の奥にある“さらなる真実”。観る側のなかにも“アバター”が存在しているということを気付かせてくれる作品となっている。
なお、このJ.T.リロイをめぐる事件は2018年にクリステン・スチュワート、ヘレナ・ボナム=カーター、ジェームズ・フランコ出演により劇映画化が決定している。
映画『作家、本当のJ.T.リロイ』
2017年4月8日(土)より、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
監督:ジェフ・フォイヤージーク(『悪魔とダニエル・ジョンストン』)
撮影監督:リチャード・ヘンケルズ
音楽:ウォルター・ワーゾワ
出演:ローラ・アルバート、ブルース・ベンダーソン、デニス・クーパー、ウィノナ・ライダー、アイラ・シルバーバーグ ほか
2016年/アメリカ/111分/カラー、一部モノクロ/1.85:1/DCP/原題: Author: The JT Leroy Story
配給・宣伝:アップリンク