映画『ダイ・ビューティフル』のパオロ・バレステロス(左)、ジュン・ロブレス・ラナ監督(右)
11月3日に閉幕した第29回東京国際映画祭授賞式で観客賞と最優秀男優賞を獲得したフィリピンのジュン・ロブレス・ラナ監督の『ダイ・ビューティフル』について、ココロヲ・動かす・映画社〇が日本での配給権を獲得したと、同社の公式Twitterで発表した。
最優秀男優賞となったパオロ・バレステロスはこの物語で、美女コンテストで優勝したトランスジェンダーの主人公トリシャを演じている。東京・六本木のEXシアターで行われたクロージング・セレモニーで、審査委員のメイベル・チャンは「その男優は自分の奥深くにある秘密、弱さをさらけ出す演技力、艶やかさが備わっていました。さらに私たちは女性・男性という境界線がこれほど交じり合うことができるという演技力に驚くとともに男優賞と女優賞どちらにすべきか迷いました」とコメント。壇上に登場したバレステロスは、「レッドカーペットを歩くためだけにこのドレスを着てきました、ほんとうにサプライズです」と喜びを露わにし、「実は最優秀女優賞を獲るのではないかと思っていました。監督は私を信じて、この役を任せて頂き、本当にありがとうございます。この作品を通して、たくさんの友情が生まれました」と涙で声を詰まらせながら語った。
また、審査員特別賞と最優秀女優賞を獲得した『サーミ・ブラッド』はアップリンクにより日本配給が決定している。
映画『ダイ・ビューティフル』
映画『ダイ・ビューティフル』より
美女コンテストで優勝したトランスジェンダーのトリシャが突然死してしまう。彼女の望みは、埋葬前に幾夜も行われる儀式で、毎回違うセレブの装いをまとうこと。友人たちは団結してトリシャの願いを叶えようとする。トリシャが生きた、カラフルでちょっと変わった一生を思い起こしながら。息子として、姉として、母として、友として、恋人として、妻として、そして女王としての人生を。
監督・プロデューサー・原案:ジュン・ロブレス・ラナ
脚本:ロディ・ベラ
撮影監督:カルロ・メンドーサ
編集:ベン・トレンティーノ
出演:パオロ・バレステロス、クリスチャン・バブレス、グラディス・レイエス、ジョエル・トーレ
2016年/フィリピン/120分
配給:ココロヲ・動かす・映画社〇
▼映画『ダイ・ビューティフル』予告編
【第29回東京国際映画祭 受賞作品・受賞者】
東京グランプリ/東京都知事賞 『ブルーム・オヴ・イエスタディ』
審査員特別賞『サーミ・ブラッド』
最優秀監督賞 ハナ・ユシッチ『私に構わないで』
最優秀女優賞 レーネ=セシリア・スパルロク『サーミ・ブラッド』
最優秀男優賞 パオロ・バレステロス『ダイ・ビューティフル』
最優秀芸術貢献賞 『ミスター・ノー・プロブレム』
観客賞 『ダイ・ビューティフル』
アジアの未来 作品賞 『バードショット』
国際交流基金アジアセンター特別賞
アランクリター・シュリーワースタウ『ブルカの中の口紅』
日本映画スプラッシュ 作品賞 『プールサイドマン』
WOWOW賞 『ブルーム・オヴ・イエスタディ』
"SAMURAI(サムライ)"賞 マーティン・スコセッシ 黒沢清
ARIGATO(ありがとう)賞 新海誠、高畑充希、妻夫木聡、ゴジラ