90年代後半から2000年代前半にかけて世間を騒がせた架空の作家J.T.リロイ事件の顛末を描くドキュメンタリー映画『Author: The JT Leroy Story』の予告編が、9月9日からの全米公開に先駆け、今作を米アマゾン・スタジオと配給するマグノリア・ピクチャーズの公式YouTubeチャンネルで公開された。
▼映画『Author: The JT LeRoy Story』予告編
J.T.リロイは1999年、少年時代に麻薬中毒の娼婦である母親から虐待され、男娼となることを強制された自身の体験をもとに執筆した、という触れ込みで『サラ、いつわりの祈り』を発表。ウィリアム・バロウズやジャン・ジュネ、アレン・ギンズバーグと並ぶ才能と絶賛され、一躍ベストセラー作家となった。『サラ、いつわりの祈り』は日本を含む世界各国でも翻訳され、2004年にはアーシア・アルジェントが監督し映画化もされた。しかし2005年、ニューヨーク・マガジンの記事により、女性作家ローラ・アルバートがでっちあげた架空の人物であることが明らかになった。
『Author: The JT Leroy Story』の監督を務めるのは、『悪魔とダニエル・ジョンストン』(2005年)のジェフ・ファーゼイグ。ファーゼイグ監督は、現在も作家として活動するアルバートへのインタビューと彼女が記録していた電話の音声を使用し、アルバートがリロイというアバターを創造した理由だけでなく、ウィノナ・ライダーやコートニー・ラブといったセレブリティがリロイの作品を賞賛した事実や、メディアの騒ぎが彼女の嘘を拡大させていった過程を描いている。今回公開された予告編でも、ウィノナ・ライダー、コートニー・ラブ、ボノ、トム・ウェイツといった著名アーティストが登場する。この作品は、1月にサンダンス映画祭でプレミア上映された。
(写真左:『Author: The JT Leroy Story』ポスター 写真右:『Author: The JT Leroy Story』より)
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ジェフ・ファーゼイグ監督公式サイト:http://www.jefffeuerzeig.com/