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cinema

2016-06-23 18:45


ジャ・ジャンクー監督、新作"VRロマンス"に意欲

ジャ・ジャンクー監督、新作"VRロマンス"に意欲

現在日本でも『山河ノスタルジア』が公開中の中国のジャ・ジャンクー監督が、2017年にVR(ヴァーチャル・リアリティ)を用いて新作を製作する予定であることを明らかにした。6月18日、AP通信などが報じた。

監督は「VRは次の大ブームになると思う」とVR技術の進歩を熱望しているという。構想中の新作は、短編で穏やかなロマンスになるとのことで、その理由として監督は「ヴァーチャル・リアリティの世界を人々が快適だと感じるにはまだ時間がかかる。VRのスピードと360度という移動方向は、身体的な不快感を感じさせてしまうかもしれないので、我々はロマンティックな物語から始めたい」と述べた。

現在VRの需要はゲームの世界が映画よりも先行しているものの、今年のカンヌ映画祭のフィルム・マーケット内見本市「NEXT」はVRをテーマに行われ、スティーブン・スピルバーグ監督がVRの技術革新により作品をコントロールできなくなることに懸念を抱いていると発言したことが報道された。3月にはオランダのアムステルダムにVR専用映画館がオープンしたほか、今後も各地でこうした施設が誕生することが期待されている。

ジャ・ジャンクー監督は「私はまだVRを勉強中で理解しようとしている段階だけれど、この新しいテクノロジーは異なるアンクルから空間を観ることができて、とても興味深い。以前は観客はフレームの内側と外側しか想像できなかった。しかしVRは観客を開放し、人々がそれぞれの観たいものを独自に選択することが可能になる。オーディエンスがより重要になる」とVRの可能性について解説した。

そして、「VRにより、私たちはこれまでの映画の伝統であるクローズアップ・ショットから開放される。これは新しく価値のあるアイディアだと思っている」と映画製作者にとってもポテンシャルを秘めた技術であることを強調した。

監督はまた、来月に自身のビデオ・ストリーミング・サイト「ジャ・スクリーン(Jia Screen)」を立ち上げ、108作のショートフィルムを世界にプレミア配信するという計画も発表した。

ジャ・ジャンクー監督は、このサイトのコンセプトについて、中国のストリーミング・サービスでは人々が自由に作品をアップできる状況にあるが、視聴者は何千もの作品からどれを観たらいいかが分からない状況にあることを踏まえ、「この新たなプラットフォームは、観るべき情報を提供する“架け橋”として機能するようにしたい」とコメントしている。

(写真:US NEWSより)

【US NEWS】
AP Interview: Jia Zhangke plans virtual reality romance
(2016/6/18)
http://www.usnews.com/news/entertainment/articles/2016-06-18/ap-interview-jia-zhangke-plans-virtual-reality-romance

【webDICE関連記事】
スピルバーグが「危険な進歩になるかもしれない」と語るVR、カンヌ映画祭で体験してみた:映画の未来を知るフィルム・マーケット「NEXT」レポート
(2016/5/30)
http://www.webdice.jp/dice/detail/5133/

キーワード:

ジャ・ジャンクー / VR / 中国


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