▲映画『Junction 48』より © Dig The Movie LLC 2016
ドキュメンタリー映画『自由と壁とヒップホップ』で知られるパレスチナのヒップホップ・グループDAMのメンバー、ターメル・ナッファールが主演を務める映画『Junction 48』の予告編が公開された。
▼映画『Junction 48』予告編
『Junction 48』は、イスラエルからの抑圧と、保守的なコミュニティに対し音楽で闘うパレスチナのヒップホップ・アーティストを主人公にした、パレスチナ版『ストレイト・アウタ・コンプトン』とも言うべきドラマ。ターメルは自身の体験をもとにオーレン・ムーヴァーマン(『ラヴ&マーシー』脚本)と共同で脚本も担当している。監督は『フォーギヴネス』が2006年の東京国際映画祭で上映されたイスラエル出身のウディ・アローニ。
▲映画『Junction 48』より © Dig The Movie LLC 2016
本作は今年のベルリン国際映画祭で上映され、パノラマ部門の観客賞を受賞。4月13日より開催されるトライベッカ映画祭でも上映が決定している。ベルリン映画祭受賞の際の報道によると、イスラエル文化省からの助成を受け完成した今作について、ミリ・レジェブ文化・スポーツ相が「イスラエルを中傷する映画に助成金を提供すべきではない」と声明を発表。アローニ監督は映画祭会場のQ&Aで、ドイツがイスラエルへの軍事供給を止めるよう発言し、イスラエル政府とネタニヤフ首相を「ファシズム体制」と批判した。その後、監督はその発言が「イスラエル政府へ向けてのもので、愛する我が国に対してではない」と明かし、「憎悪を広げる首相とは反対に、私の映画は愛と共存を広げる」と語ったという。
DAMは2014年にジャパン・ツアーを行っているが、ターメル・ナッファールは急病のため来日が実現しなかった。
なお日本では、分離壁で囲まれたパレスチナの今を生き抜く若者を『パラダイス・ナウ』のハニ・アブ=アサド監督が描く映画『オマールの壁』が4月16日(土)より公開される。
▲映画『Junction 48』ポスター © Dig The Movie LLC 2016
【twitch】
JUNCTION 48 Trailer Comes Straight Outta Palestine(2016.4.7)
【INDEPENDENT】
Israeli winner of Berlin Film Festival brands Netanyahu government 'fascist'(2016.2.22)
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映画『オマールの壁』
2016年4月16日(土)角川シネマ新宿、渋谷アップリンクほか全国順次公開
思慮深く真面目なパン職人のオマールは、監視塔からの銃弾を避けながら分離壁をよじのぼっては、壁の向こう側に住む恋人ナディアのもとに通っていた。長く占領状態が続くパレスチナでは、人権も自由もない。オマールはこんな毎日を変えようと仲間と共に立ち上がったが、イスラエル兵殺害容疑で捕えられてしまう。イスラエルの秘密警察より拷問を受け、一生囚われの身になるか仲間を裏切ってスパイになるかの選択を迫られるが……。
監督・脚本・製作:ハニ・アブ=アサド
出演:アダム・バクリ、ワリード・ズエイター、リーム・リューバニ ほか
(2013年/パレスチナ/97分/アラビア語・ヘブライ語/カラー/原題:OMAR)
配給・宣伝:アップリンク
公式サイト
映画『オマールの壁』
主演アダム・バクリ来日舞台挨拶決定日時:2016年4月16日(土)10時30分の回 上映終了後
会場:角川シネマ新宿(東京都新宿区新宿3-13-3 新宿文化ビル4・5階)
登壇者:アダム・バクリ
チケットは下記より
http://www.kadokawa-cinema.jp/shinjuku/news/775.html
映画『オマールの壁』公開記念
「世界を変える、社会を変える、映画特集」
4月16日(土)より渋谷アップリンクにて開催