パレスチナ人監督による短編コメディ映画『Ave Maria』が、アカデミー賞短編映画賞でノミネートされた。この部門でアラブ系の作品がノミネートされたのは初めてとなる。
14分間の短編コメディの舞台は、ヨルダン川西岸地区で、修道院の壁に車をぶつけたイスラエル人の入植者家族を、パレスチナ人の修道女たちが助けるストーリー。
本作は、アカデミー賞以外にも、カンヌ国際映画祭短編コンペティション部門ノミネートをはじめ、数々の映画祭で賞に輝いている。
バジル・カリル監督(34歳)は、パレスチナ人の父とイギリス人の母を持つ、イスラエル生まれのパレスチナ人で、スコットランドで映画制作を学び、ロンドンでTV制作に携わってきた。2011年にスクリーン・インターナショナル誌で“注目すべきアラブ人映像作家10人”に選ばれている。
なお、2013年のアカデミー賞外国語映画賞に、100%パレスチナ資本の映画としては初めてノミネートされた『オマールの壁』(ハニ・アブ・アサド監督)が、4月に角川シネマ新宿、渋谷アップリンクほかにて全国公開される。