昨日1月24日(日)、ロンドンのフランス大使館の向かいにある建物の壁に、グラフィティ・アーティストのバンクシーによる新たなストリート・ボムが見つかり、バンクシー本人の公式サイトでも新作として発表された。
このボムは、(挿絵画家エミール・バヤールによる)有名な『レ・ミゼラブル』の主人公コゼットの絵をモチーフに、催眠ガスが立ち込める中で少女が目に涙を浮かべているもので、左下にはQRコードが描かれている。
QRコードは、去る1月5日にフランス北部の町カレーの難民キャンプで、警察が催眠弾、手榴弾、ゴム弾などを使い襲撃する様子を、カレー移民団体(Calais Migrant Solidarity)がアップしたYouTube動画にリンクしている。QRコードが描かれたのはバンクシーの作品で初めて。
▼QRコードのリンク先動画
英仏海峡トンネルの入り口があるカレーには、かつて国際赤十字が難民収容センターを開設していたこともあり、1990年代からコソボ難民やクルド難民をはじめ、紛争や迫害を逃れてきた難民が、生活保護大国の英国を目指して多く集まっていた。
昨年、劣悪な環境で“ジャングル”と呼ばれる難民キャンプの人口が6,000人に到達。フランス当局は仮設住宅を用意しキャンプからの移動を促しているが、住宅の数は足りていない。先週1月20日に当局がキャンプの撤去を開始した後も、23日には難民支援者らのデモ隊が見守る中、フェンスを破壊しフェリーに乗り込もうとした難民35人が逮捕されている。
バンクシーは先月(2015年12月)も“ジャングル”の壁に、シリア移民2世だった故スティーブ・ジョブズのグラフィティなどを描き、難民支援を訴えていた。
なお、バンクシーが2013年10月1日から突然告知もなく開始し、ニューヨーク中とインターネット上を狂乱の渦に巻き込んだ展覧会「Better Out Than In」の模様を追ったドキュメンタリー映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』が3月26日(土)より渋谷シネクイント、4月2日(土)より渋谷アップリンクにて公開される。
【関連記事】
Banksyが仕掛けた"NY宝探し"追う映画 日本公開(2016-1-20)
http://www.webdice.jp/topics/detail/4997/
難民が閲覧料要求、波紋呼ぶバンクシージョブズ画(2015-12-19)
http://www.webdice.jp/topics/detail/4955/
バンクシー、イギリスに最悪なテーマパーク「ディズマランド」を5週間限定オープン!(2015-08-22)
http://www.webdice.jp/dice/detail/4836/
映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』
3月26日(土)渋谷シネクイント、4月2日(土)渋谷アップリンクほか全国順次公開
監督:クリス・モーカーベル
提供:パルコ
配給:アップリンク、パルコ
宣伝:ビーズインターナショナル
2014年/アメリカ/81分/カラー/16:9/DCP
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/banksydoesny/
公式Facebook:https://www.facebook.com/banksydoesny.jp
公式Twitter:https://twitter.com/banksydoesny_JP
▼映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』予告編
書籍『バンクシー・イン・ニューヨーク』
著:レイ・モック 翻訳:毛利嘉孝、鈴木沓子
1月30日刊行
現地の凄腕グラフィティ・ライターが、バンクシーのニューヨークでの活動に完全密着。撤去された作品も全て見られる貴重な作品集/ルポルタージュ。
2,376円(税込)
パルコ出版
Amazonでの購入は下記より
http://www.amazon.co.jp/dp/4865061606/