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2016-01-24 14:00


米Amazonがドキュメンタリー映画配給へ本腰

米Amazonがドキュメンタリー映画配給へ本腰

米アマゾンが、世間を騒がせた架空の作家J.T.リロイに関するドキュメンタリー映画の権利獲得へ向けて最終的な調整に入っていることを「Variety」誌が報道した。この作品『Author: The JT Leroy Story』は、開催中のサンダンス映画祭で1月22日にプレミア上映が行われた。交渉が成立した場合、アマゾンとしては初めて配給を手掛けるドキュメンタリーとなる。

同社は先に、スパイク・リー監督やジム・ジャームッシュ監督のオリジナル映画製作のほか、ケビン・スペイシー主演の『Elvis & Nixon』やケイト・ベッキンセールとクロエ・セヴィニー主演のホイット・スティルマン監督作『Love and Friendship』を北米で配給することを発表。また2月16日からはアレックス・ギブニー監督らを迎え老舗雑誌「ザ・ニューヨーカー」を映像化するシリーズ『The New Yorker Presents』をアマゾン・プライムでスタートさせることも決定しており、ライバルのNetflixに対抗して、ノンフィクションの分野を強化したいという狙いがあるものと見られる。

J.T.リロイは1999年、少年時代に麻薬中毒の娼婦である母親から虐待され男娼となることを強制された自身の体験をもとに執筆した、という触れ込みで『サラ、いつわりの祈り』を発表。2004年にはアーシア・アルジェントの監督により映画化もされた。しかし2005年、ニューヨーク・マガジンの記事により、女性作家ローラ・アルバートがでっちあげた架空の人物であることが明らかになった。

『Author: The JT Leroy Story』の監督を務めるのは『悪魔とダニエル・ジョンストン』(2005年)のジェフ・ファーゼイグ。ファーゼイグ監督は、アルバートがリロイというキャラクターを創造した理由だけでなく、マドンナやコートニー・ラブといったセレブがリロイの作品を賞賛したことによるメディアの騒ぎも彼女の嘘を拡大させたことを検証しているという。

リロイについては、2015年にマージョリー・シュトルム監督による別のドキュメンタリー『The Cult Of JT LeRoy』が公開されている。

(写真:映画『Author: The JT Leroy Story』より)
Author: The JT Leroy Story
▲映画『Author: The JT Leroy Story』ポスター

■サンダンス映画祭公式サイト:Author: The JT Leroy Story
http://www.sundance.org/projects/author-the-jt-leroy-story

【Variety】
Sundance: Amazon Nears Deal for ‘Author: The JT Leroy Story’
(2016.1.23)
http://variety.com/2016/film/festivals/jt-leroy-sundance-1201686959/




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