60年代より活動を続けるドイツのプログレッシブ・ロック・バンド、タンジェリン・ドリームの記念館の建設がベルリンで計画されていることが発表された。
タンジェリン・ドリームは、サルバドール・ダリとも交流のあったエドガー・フローゼを中心に1967年に結成。シンセサイザーによる荘厳な音世界を特徴とし、クラフトワーク、カン、ノイ!、クラスター、マニュエル・ゲッチングといったバンドとともに「クラウトロック」と形容され、エレクトロニック・ミュージック・シーンを牽引。80年代にはスティーヴン・キング原作の『炎の少女チャーリー』など映画音楽も多数手がけるほか、その後のアンビエントやニューエイジ・ミュージックにも影響を与えた。2011年からは日本人ヴァイオリニスト山根星子が正式メンバーとして参加している。
今年の1月20日、エドガー・フローゼが肺塞症のため死去し、未亡人ビアンカ・フローゼがエドガーへの追悼と彼が追い求めた音楽世界を再現するためにこのプロジェクトを始動させた。
この記念館は「TANGAUDIMAX」と名づけられ、「THE PINK YEARS」「THE VIRGIN YEARS」「THE MELROSE YEARS」「THE EASTGATE YEARS」といったバンドがおよそ50年にわたりリリースしてきたアルバムにちなんだ部屋に加え、ギターやシンセサイザーなど使用楽器を紹介する一角や、彼らのライヴを疑似体験できるホログラフィック・コンサートのスペース、エドガーが考案した「ZOOM-O-GRAPHIC」と呼ばれるデジタル・コラージュ作品も展示。会場全体でタンジェリン・ドリームの世界に浸ることができるようになっているとのことだ。
バンドは2016年春にニュー・アルバム『Quantum Gate』をリリース予定。また、フローゼが生前執筆していた自叙伝『TANGERINE DREAM - FORCE MAJEURE - 1967-2014』も2016年刊行が予定されている。
TANGAUDIMAX公式サイト:
http://www.tangaudimax.com/
【FACT】
Edgar Froese’s widow announces plans for Tangerine Dream Sound Museum(2015.12.17)
http://www.factmag.com/2015/12/17/edgar-froeses-widow-announces-plans-for-tangerine-dream-sound-museum/