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cinema

2015-11-06 15:58


大島渚作品も リンクレイター選35mmで観る6本

大島渚作品も リンクレイター選35mmで観る6本

『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督が、映画団体「オースティン・フィルム・ソサエティ」の30周年を記念し、12月22日まで実施される特集上映『Essential Cinema: 30 Years of AFS』のプログラムを担当している。

「オースティン・フィルム・ソサエティ」は、リンクレイター監督が地元テキサス州に1985年に創設した非営利団体。スタジオの運営や映画製作への助成などを行い、インディペンデントの映画作家を支援。リンクレイター監督は芸術監督も務めている。

今回の特集上映でリンクレイター監督がぜひ観てほしいと選んだのは以下の6作品。

『男性・女性』ジャン=リュック・ゴダール監督(1966年)
『忘れられた人々』ルイス・ブニュエル監督(1950年)
『アル中女の肖像』ウルリケ・オッティンガー監督(1979年)
『ニューヨーク・ニューヨーク』マーティン・スコセッシ監督(1977年)
『儀式』大島渚監督(1971年)
『スリ』ロベール・ブレッソン監督(1959年)

上記作品が35ミリ・フィルムで上映されるのに加え、デヴィット・リンチ監督やケネス・アンガー監督の短編映画を16ミリで上映する回も用意されている。全ての回で上映後リンクレイター監督と観客とのディスカッションの時間も設けられている。

『儀式』は、大島渚監督が終戦後の日本を舞台に、家父長制の残る3世代の家族の姿を通して戦後民主主義を検証するドラマ。開催にあたりサイト「Indiewire」の取材に答えたリンクレイター監督は「僕は大島渚監督の大ファンなんだ」と切り出し、「戦後日本についての政治的なメッセージにより、検閲と戦いながら、映画を作り続けた。60年代日本の最もラディカルでハードコアな映画監督だ」と絶賛している。『儀式』は12月17日に上映される。

リンクレイター監督は、『バッド・チューニング』(1993年)の続編『Everybody Wants Some(原題)』の公開を2016年に控えているが、同じ「Indiewire」で映画鑑賞のプラットフォームと映画配給のこれからについても発言。AmazonやNetflix、HBOといった配信サイトでの可能性に期待しているとしたうえで、「劇場も配信も全てが利用できるのがいいと思っている。僕は家に豪華なホームシアターの環境も持っているけれど、それよりも今回の上映のように35ミリ・フィルムを多くの観客たちと一緒に観るのが楽しみなんだ」と持論を明かしている。


【Indiewire】
Richard Linklater on 6 Essential Films He Can't Wait to Screen
(2015/11/3)
http://www.indiewire.com/article/richard-linklater-on-6-essential-films-he-cant-wait-to-screen-20151103

【Indiewire】
Richard Linklater on the Promising Future for Film Distribution
(2015/11/5)
http://www.indiewire.com/article/richard-linklater-on-the-promising-future-for-film-distribution-20151105

【AFS】
30 YEARS OF AFS PROGRAMMING HOSTED BY RICHARD LINKLATER

https://www.austinfilm.org/retrospectives-and-themed-series/series-essential-cinema-30-years-of-afs-programming


写真:『6才のボクが、大人になるまで。』撮影現場のリチャード・リンクレイター監督 ©2014 boyhood inc./ifc productions i, L.L.c. aLL rights reserved.

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