▲「Barefoot Gen for Schools and Libraries」キックスターター・プロジェクトページより
アメリカのクラウドファンディング・サイト、キックスターターで、中沢啓治さんによる漫画『はだしのゲン』をアメリカの学校や図書館に寄贈するための支援プロジェクトが8月5日にスタートした。
『はだしのゲン』は、中沢さん自身の原爆の被爆体験を元にした漫画で、1972年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)などでの連載後、汐文社で単行本化され、20ヵ国語以上で翻訳されている。
今回のプロジェクトを立ち上げたのは、アメリカで『はだしのゲン』を出版する出版社Last Gasp。全10巻ある『はだしのゲン(英題:Barefoot Gen)』英語版の1巻から4巻までを各1,000冊、計4,000冊をハードカバーで新たに印刷するために、3万6,000ドル(約447万円)を目標に9月11日まで協力を募る。プロジェクトページには日本語でのメッセージも掲載されている。
今年は、広島への原爆投下から70周年を迎えます。 昨今、核兵器のもたらす脅威が続く中、その被爆体験の惨状を伝える人々が年々減少しています。
中沢啓治氏は、一般市民に対して使用された核兵器の及ぼした衝撃的な惨状の事実を自身の体験をもとに描いています。それは、多くの人々に読まれるべき重要な書物であり、特に現代の若者達に最も読まれるべきものです。
(キックスターター・プロジェクトページより)
▼『はだしのゲン』英語版『Barefoot Gen』より[協力:プロジェクト・ゲン事務局]
『はだしのゲン』は2013年、松江市の小中学校図書館で教育委員会からの要請で「閉架」の状態に置かれたことが問題となった。
プロジェクトページでは、『はだしのゲン』を読んだ9歳の少女を主人公にした「Beginnings」という短編を2009年に発表し話題を呼んだコミック・アーティストのレイナ・テルゲマイヤーさんも「ぜひ読んでほしい」とコメントを寄せている。
「Barefoot Gen for Schools and Libraries」
キックスターター・プロジェクトページ
https://www.kickstarter.com/projects/1784498350/barefoot-gen-for-schools-and-libraries
思うんだけど、「はだしのゲン」はまったく果たすべきことをわたしに対してしたんだ。最終的にどんな影響力をあの作品が持ったとかはおいといて、少なくともわたし自身はいっぱい考えさせられた。アートの意味、みたいなこととか。
(レイナ・テルゲマイヤー作「Beginnings」より)
▼レイナ・テルゲマイヤー作「Beginnings(9歳のアメリカ人少女がはじめて『はだしのゲン』を読んだとき)」(キックスターター・プロジェクトページより)
「Baretoot Gen」公式サイト:
http://barefootgen.net/japanese/
汐文社公式サイト:
http://www.choubunsha.com/special/hadashinogen/
はだしのゲン コミック版 全10巻
著:中沢啓治
7,344円(税込)
汐文社
発売中
Amazonでの購入は下記より
http://www.amazon.co.jp/dp/4811304004/webdice-22