ミュージシャンのデヴィッド・バーンが、Apple Musicなどの定額制音楽配信サービスのロイヤリティについて提言した署名入り記事が7月31日、ニューヨーク・タイムズ紙のweb版に掲載。「音楽業界のブラックボックスを開け」というタイトルの記事で彼は、音楽配信を行う企業や関係者に自ら問い合わせた内容を盛り込み、配信が全盛となった現在の音楽業界に必要なのは、収益配分などについての透明性を高めることだ、と書いている。
「私はYouTubeに、音楽が流れる映像の広告収入はどのような比率で配分されるのかという、極めてベーシックな質問をしてみた。彼らは正確な数字を教えてはくれず『半分よりは少ないです』という回答だった。別の業界関係者に聞いたところ、『50%がYouTube、35%が原盤保有者、15%が音楽出版社に支払われる』とのことだった」
「私はApple Musicに、無料試聴期間中の著作権使用料の計算について説明を求めた。彼らは『著作権者(つまりレーベル)にだけ明らかにします』と答えた。私は、自身のレーベルを持っていて、何枚かのアルバムは自分で著作権を保持している。だが、ディストリビューターに問い合わせたところ、『取引については教えることができない。しかし弁護士を通して問い合わせてもらえれば、質問に答えることができる』という回答だった」
「ある業界関係者によると、メジャー・レーベルは定額制音楽配信サービスから得た収益を、どうやら恣意的に所属アーティストたちに割り当てているという。例えばの話だが、ユニバーサルミュージックがSpotifyから1月に得た合計収入のうちの5%が、サム・スミスの“ステイ・ウィズ・ミー”による収入だったとする。だが、ユニバーサルがサム・スミスに支払うのが3%だろうか10%だろうが自由なのである」
「テイラー・スウィフトがApple Musicの3ヵ月の無料トライアル期間の収益を著作権者に払わない規定を撤回させたことは、小さな前進だった。しかし我々は、Appleがいくらを支払うのか、そしてどのように支払いのパーセンテージを決めるのか、まだ分からないでいる」
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【The New York Times】
Open the Music Industry’s Black Box(2015.7.31)
http://www.nytimes.com/2015/08/02/opinion/sunday/open-the-music-industrys-black-box.html
【Rolling Stone】
David Byrne Pens Op-Ed Asking for Streaming Transparency(2015.8.2)
http://www.rollingstone.com/music/news/david-byrne-pens-op-ed-asking-for-streaming-transparency-20150802