5月7日、西村康稔内閣府副大臣が、環太平洋連携協定（TPP）交渉の妥結前に極秘扱いとしている協定案の閲覧を国会議員にも認める方針を撤回した。
TPP交渉を担当する西村副大臣は、4日の記者会見で、与野党議員にも事前に内容を知っておいてもらうことで、協定案の国会承認を円滑にするため、守秘義務を徹底して5月中に閲覧できるようにすると述べたと報道されていた。西村副大臣は撤回の理由を「真意が伝わってなかった、協定案のテキストそのものの閲覧は基本的に難しく、できない。（今後の情報開示について）どのような工夫ができるか引き続き検討していきたい」としている。
協定案は、日本では安倍晋三首相や甘利明TPP担当相、鶴岡公二首席交渉官といった一部の閣僚と官僚しか見ることができない。アメリカの通商代表部（ISTR）では、議員に協定案の閲覧を認めているが、西村副大臣は「日本と米国では議員の守秘義務に大きな違いがあり同一の対応は困難だ」と語ったという。
なお、内閣官房のTPP政府対策本部は、一般参加可能なTPP協定交渉に関する説明会を5月15日（金）品川区立総合区民会館「きゅりあん」にて開催。現在参加申込みを受け付けている。申込締切は5月11日（月）12:00となっている。
【47NEWS】
ＴＰＰ極秘案閲覧を撤回 内閣副大臣「意図異なった」（2015.5.8）
http://www.47news.jp/CN/201505/CN2015050801000878.html
【産経】
ＴＰＰ極秘案の議員閲覧容認を撤回 「真意伝わってなかった」と西村副大臣が釈明（2015.5.8）
http://www.sankei.com/economy/news/150508/ecn1505080018-n1.html
【東京新聞】
ＴＰＰ草案 議員開示へ 国会承認、円滑化狙い
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015050602000139.html
【内閣官房】
TPP政府対策本部
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/index.html
【関連記事】
「私たちはすでに遺伝子組み換え食品を大量に食べている」白井和宏さんが語る日本の現状（2015-05-01）
http://www.webdice.jp/dice/detail/4678/
知る権利を持つ市民よりも企業が上に立つ構造がGMO表示の問題なんだ
『パパ、遺伝子組み換えってなぁに？』監督が遺伝子組み換えを巡るアメリカの現状語る（2015-04-21）
http://www.webdice.jp/dice/detail/4659/
巨大バイオ企業による食の支配を許すな！遺伝子組み換え食品を「家族」の視点で追求するドキュメンタリー
映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに？』セイファート監督語る（2015-3-4）
http://www.webdice.jp/dice/detail/4614/
