▲映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』より、モンサント社の入口
世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)は、3月20日、アメリカのモンサント社が生産している「ラウンドアップ」をはじめとした除草剤に広く使用されている成分「グリホサート」について、発がんの恐れがあるという研究報告書を公表した。
ラットを使った実験で発がん性が確認されたとして、5段階で上から2番目にリスクが高い「恐らく発がん性がある」(2A)に分類した。
これに対し、モンサント社の最高技術責任者ロバート・フラリィ氏は「我々は今回の評価に憤慨している」と発言し、IRC側の論証に都合のよいデータのみを用いた発表だと反発。
日本モンサント社も3月20日、「モンサント・カンパニーはグリホサートに関するIARCの分類に同意しません」というニュースリリースを発表。①評価にとって重要な科学的データが評価から除外されていること、②結論が科学的データに裏付けられたものでないこと、③IARCによる分類が、グリホサートとがんの発症の増加との間の関連を確立するものではないこと、という3つの理由を挙げ、IARCの発表に反論している。
モンサント社の声明に対し、IRACの研究室副長デーナ・ルーミス氏は「我々は利用できる最良の科学的なデータに基づき、透明で厳重なプロセスを経て行った」と語っているという。
なお、このモンサント社をはじめとするアグロバイオ企業が生産する遺伝子組み換え食品が、いかに私たちの生活のなかに拡大しているかを描く、アメリカのジェレミー・セイファート監督によるドキュメンタリー『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』が4月25日(土)より日本で公開される。
【日本モンサント株式会社】
「モンサント・カンパニーはグリホサートに関するIARCの分類に同意しません」(2015.3.20)
http://www.monsanto.co.jp/news/release/150324_01.html
【時事ドットコム】
除草剤成分に発がん性=米モンサントは反発-WHO(2015.3.24)
http://jp.wsj.com/articles/SB12371367657780613424004580537231206046548
【WALL STREET JOURNAL】
Monsanto Bites Back at Glyphosate Findings(2015.3.23)
http://www.wsj.com/articles/monsanto-bites-back-at-glyphosate-findings-1427147273
【WALL STREET JOURNAL日本版】
除草剤に発がんのリスク=WHO研究機関(2015.3.24)
http://jp.wsj.com/articles/SB12371367657780613424004580537231206046548
【関連記事】
グローバリゼーションという暴力に我々はどう立ち向かうか『シティ・ファーマー:世界の都市で始まる食料自給革命』
(2015-03-09)
http://www.webdice.jp/dice/detail/4605/
巨大バイオ企業による食の支配を許すな!遺伝子組み換え食品を「家族」の視点で追求するドキュメンタリー
映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』セイファート監督語る(2015-3-4)
http://www.webdice.jp/dice/detail/4614/
映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』
4月25日(土)より渋谷アップリンク、名古屋名演小劇場、横浜シネマ・ジャック&ベティほか全国順次公開
監督:ジェレミー・セイファート
出演:セイファート監督のファミリー、ジル=エリック・セラリー二、ヴァンダナ・シヴァ
協力:大地を守る会、生活クラブ生協、パルシステム生活協同組合連合
字幕:藤本エリ
字幕協力:国際有機農業映画祭
配給:アップリンク
2013年/英語、スペイン語、ノルウェー語、フランス語/85分/カラー/アメリカ、ハイチ、ノルウェー
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/gmo/
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