▲非常階段
日本のノイズ・ミュージック・シーンを代表するバンド、非常階段の初となるドキュメンタリー映画『極悪の教典 劇場版』制作のためのクラウドファンドが、クラウドファンディグ・サイト「CAMPFIRE」で行われている。
このプロジェクトは、2015年4月5日0:00までに375万円を目標にクラウドファンドを実施。集まった資金はドキュメンタリー映画の制作費に使用される。3月21日時点で、162万円の協力が寄せられている。
監督は、『尻舟』『太秦ヤコペッティ』『SAVE THE CLUB NOON』の宮本杜朗。『極悪の教典 劇場版』は、1979年にJOJO広重、頭士奈生樹により京都で結成された非常階段の35年間を、インタビューやアーカイブ映像で構成。日本のインディーズやパンクの歴史も踏まえ、音楽の未来につながるドキュメンタリー映画になる予定だという。
▲1981年に撮影された新宿LOFTでの非常階段のライブ写真
プロジェクトは500円から協力が可能。金額に応じて、映画のエンドロールに名前掲載のほか、完成した映画のDVD、CAMPFIRE限定の非常階段のオリジナルCDアルバムやTシャツ、完成披露試写招待、クランクアップ打ち上げ招待などの特典を提供。7万円で非常階段のライブに絶叫で出演できる権利、25万円の協力で、メンバー4人のサイン入りギターまたはメンバー1人が協力者の自宅で出張ライブをしてくれる権利（日本国内限定、北海道・四国・九州は交通費別途必要）が進呈される。
締切まであと15日、目標達成へ向けて、宮本杜朗監督からメッセージを寄せてもらった。
JOJO広重さんの部屋から、
映画館へつづく道を作りたい
──宮本杜朗（『極悪の教典 劇場版』監督）宮本杜朗監督
変なことになってきました。自分では劇映画監督だと思っていましたが、ドキュメンタリー映画をつくることに長編映画では2作連続で続きそうです。前作『SAVE THE CLUB NOON』は風営法に関係したドキュメンタリーで、突然の異常事態にこれはもう「撮らないと男がすたる」という気持ちで発作的にカメラを手にとりました。しかし本当はメガホンをとりたいのです。そう思いながら近所の超格安のカラオケルームで企画や脚本を考える時期を過ごしていました。
そんな時、JOJO広重さんから一通のメールが届きました。「非常階段のドキュメンタリーつくれないかな。宮本くん監督で」。ひとまずJOJOさんに会って、お話はありがたいけどちょっと違うな、と思ったら丁重にお断りさせて頂こう、という前も後ろも向いてない姿勢で臨んだJOJOさんとの話し合いの帰り道には「やるのだ」とスキップしていました。前しか向いてませんでした。いや、上にも向いていました。非常階段がいかにすごいか、ではなく、いかに普通の人が非常階段をやっているか、という基本姿勢が一致していたからです。それに加えて、JOJOさんは10代の頃からドキュメンタリーをつくる準備をしていたのか、というくらい中学・高校時代の資料もちゃんと残していました。
JOJOさんがまだ何者でもなかったときにいた小さな部屋から、映画館へつづく道を作りたいと思います。その道は恐らく真っすぐになることはなく、出演者やスタッフたちと工事しているとヘンテコな道になると思いますが、それこそが豊かさだという錯覚を信じて工事していきたいと思います。しかし、手元にはまだツルハシすらありません。スコップすらありません。いや、人すらいません。雇えません。ここぞ、という時にはユンボも使いたいのです。使わせてください。どうか、我らにユンボを……。
皆様のご協力を本当に必要としています。
【CAMPFIRE】
アバンギャルドノイズバンド 非常階段、ドキュメンタリー映画「極悪の教典 劇場版」
http://camp-fire.jp/projects/view/1407
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