ニール・ヤングが11月9日、アメリカ・モンサント社と手を組み反GMO法を阻止しようとするスターバックス・コーヒーの商品をボイコットすべきだという声明を自身のホームページで発表した。
バーモント州は今年5月、州レベルでは初めてとなる遺伝子組み換え作物(GMO)を含んだ食品の表示を義務づける法律が成立、2016年7月から施行されることになった。これに対し米モンサント社や米スターバックス社など約300企業が加盟する全米食品製造者協会が、表示義務の差止め訴訟を起こすことを明らかにしている。
公開状のなかでニール・ヤングは、大企業が民主主義によって決定した法律について訴訟を起こすべきではないと述べ、スターバックスへ訴訟の協力を取り下げるよう声を上げること、そしてバーモント州を支援する市民団体「SumOfUs」への署名を呼びかけている。
なおこの問題に対しスターバックスは11月15日、GM表示法に関する訴訟に一切関与していないと発表している。
▼ニール・ヤングの公開状
「スターバックにさよならを!」
私は以前は毎日ラテを頼んでいたけれど、昨日の一杯が最後になった。
スターバックスは、正確な食品ラベル表示の義務化を阻止しようとバーモント州を訴えているモンサント社と手を組んでいる。
私たちは口にする食べものに何が入っているのかを知る権利がある。訴訟を取り下げるようスターバックスに伝えるんだ。
スターバックスは、私たちがコーヒーに何が入っているのか知る権利があることを考えすらしていない。だから、モンサントと協力し、詮索させないようアメリカの小さなバーモント州を訴えた。
全米食品製造者協会をたてに、スターバックスは遺伝子組み換え作物が使われたという品質表示を義務付ける画期的な法律をブロックする訴訟を支持している。驚くことに、彼らはこの法律が企業の言論の自由に対する攻撃である、と主張している。
モンサントにとって、そしてスターバックスにとって、企業の立場として、私たちがなにを考えているかなんてどうでもいい問題なんだろう。もし私たちがこの問題について人々の関心を促すことができれば、スターバックスに訴訟への支持を取り下げることができ、同じようなことをする企業へのプレッシャーをかけることができる。
バーモントは人口60万人の小さな州だ。バーモントとモンサントの闘いは、このままだと旧約聖書のダビデとゴリアテの戦いのように勝ち目がない。スターバックスが過去にLGBTに関わる問題や労働問題についてのうえで進歩的であったことを考えれば、モンサントという最も巨大な悪と活動していることに大きな失望を覚える。
バーモントは遺伝子組み換え食物の表示を義務付ける最初の州だ。他の多くの州がこの後に続くためにも、バーモントに断固とした姿勢を取ってほしい。モンサントと彼らの仲間たちが、バーモントへの圧力にやっきになっているのもそれが理由だ。しかし、遺伝子組み換え作物についてどんな意見があっても、強い市民の支援による民主主義の決定を覆すために企業は大きな訴訟をするべきではない。
市民団体「SumOfUs」は既に反撃している。彼らはモンサントの脅威に遭っているバーモントへの援助のために25万ドルを集めた。ぜひ、「SumOfUs」のサイトで署名そして寄付をしてほしい。そして次のステップは、訴訟を影で操る全米食品製造者協会に圧力をかけることだ。あなたの協力が力になる。ぜひ協力してほしい。スターバックスにバーモントへの訴訟を止めるよう伝えるんだ。
2014年11月9日
カナダ ブリティッシュ・コロンビア州 バンクーバー
ニール・ヤング
▼スターバックスからの見解
当社スターバックスは遺伝子組み換え表示に関する訴訟には関与しておらず、そのために出資したこともありません。また、食品表示やバーモント州法を阻止するためにモンサント社と連携することもしていません。
件の請願に書かれている、当社が訴訟側の一員であるという文は完全なる誤りであり、われわれは是正を申し入れました。
当社は遺伝子組み換え表示の問題についてどの立場も取っていません。全州に店舗を持ち商品を流通させている当社としては、国家レベルの解決を望みます。
2014年11月15日
■ニール・ヤング公式HP
http://neilyoung.com/?frontpage
■「SumOfUs」公式HP
http://neilyoung.com/?frontpage
■米スターバックス公式HP
Starbucks Response to Questions and Litigation Regarding GMO Labeling
http://news.starbucks.com/views/starbucks-response-to-questions-and-litigation-regarding-gmo-labeling