『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で~』より
サハラ砂漠の遊牧民、トゥアレグ族のバンド・トゥーマストを追ったドキュメンタリー映画『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で~』が2015年2月28日(土)より、渋谷アップリンクにてロードショー公開。12月より公開まで4回にわたり、ピーター・バラカンさん、サラーム海上さん、粕谷雄一さんほかによるトーク付きの先行上映イベントが行われる。
サハラ砂漠西部。インディゴで染めた真っ青な布で全身を覆った青衣の遊牧民、トゥアレグ族。トゥアレグの歴史は苦しみと流浪、反乱と不正義に汚されていた。“トゥーマスト”というバンドを率いる元レジスタンス兵士のムーサは、80年代、リビア、カダフィ大佐の元へ兵士としての訓練を受けに行った。彼がそこで手に入れたものは、カラシニコフとギター。その後、反逆の精神と新しい音楽を携え砂漠に戻った彼らは、音楽で世界を変えようと闘ってきた。
“トゥーマスト”とは、トゥアレグの 言葉でアイデンティティを意味する。この映画は、ムーサやトゥアレグの人々へのインタビューを通して、トゥアレグ族のアイデンティティについて、サハラの今について、そして、自由のための闘いについて描いたドキュメリーだ。監督のドミニク・マルゴーは、バンドへの撮影を通して感じたことを次のように語っている。
「ムーサは、マリとニジェールの間にあるほとんど人のいない土地に典型的な遊牧民として生まれた。15歳でリビアへ行き兵士の訓練を受けた牧童が、今では名を馳せるミュージシャンなのだ。砂漠以外の何も知らず、読み書きすらままならない青年がいまや、武器を持たず戦える術を心得、自らの音楽で多くの人に訴えかけられる存在なのである」
「この映画の調査の途中、さまざまな場面で私が気付いたことは、私が会った全てのトゥアレグ族は皆何かのために戦っているということだった。啓発、学校、治療、独立、自治、よりよい暮らし、生き延びること……私は、彼らが変革は可能であると信じていることと、悲観的な考えを誰も持っていないということに感嘆した。そしてこれは、砂漠がウランの掘削による放射能汚染や、密輸や薬物によって長い間汚されてしまったとしても、変わることはなかったのである」
トゥーマスト(TOUMAST) プロフィール
リビア、カダフィ大佐の元でレジスタンス兵として訓練され、同じくレジスタンス兵で「砂漠のブルース」の旗手的なバンド、ティナリウェンのメンバーと出会い、音楽を始める。2008年にピーター・ガブリエルのワールド・ミュージックのレーベル「Real World」より1stアルバム『ISHUMAR』でCDデビュー。現在はパリ在住で、ヨーロッパ各地でコンサートを行い、活躍している。
映画『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で~』
先行上映イベント
2014年12月16日(火)、2015年1月16日(金)、2月6日(金)、2月25日(水)
時間:18:30開場/19:00開映/20:30トークスタート
料金:一律2,000円
会場:渋谷アップリンク(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1階)
オンラインにてチケット発売中
2014年12月16日(火)
『トゥーマスト』を通して見る、抵抗運動と音楽について
ゲスト:ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
ご予約は下記より
http://www.uplink.co.jp/event/2014/33919
2015年1月16日(金)
アフリカ音楽と「砂漠のブルース」について
ゲスト:サラーム海上(よろずエキゾ風物ライター)、粕谷雄一(金沢大学教授)
ご予約は下記より
http://www.uplink.co.jp/event/2014/33921
2015年2月6日(金)、2月25日(水)のゲストは近日発表
映画『トゥーマスト ~ギターとカラシニコフの狭間で~』
2015年2月28日(土)より、渋谷アップリンクにてロードショー公開
監督:ドミニク・マルゴー
出演:トゥーマスト
スイス/2010年/英語/カラー/88分
配給、宣伝:アップリンク
公式HP:http://www.uplink.co.jp/toumast/