ポップポータルメディアKAI-YOU.net(カイユウ)に10月11日、DOMMUNEの宇川直宏氏のインタビューが掲載。3331 Arts Chiyodaとのコラボレーションとして11月3日(月)まで行われている現代美術解析プロジェクト「DOMMUNE University of the Arts -Tokyo Arts Circulation-」で展示中の、消費者金融プロミスが協賛している自身の作品「DJ JOHN CAGE & THE 1000 WORLD WIDE DJS」について語っている。
この「DJ JOHN CAGE & THE 1000 WORLD WIDE DJS」は、宇川氏がDOMMUNE開局以来の5年間に撮影・配信・記録したDJ1,000人分のアーカイヴを、青とオレンジのプロミス・カラーのスーツを着たジョン・ケージの彫刻の指揮のもと、同時再生させるというインスタレーション。
宇川氏は記事のなかで20代の頃の自身のエピソードとともに、プロミスからスポンサードを受けた経緯を解説。また、この展示スペースにプロミスのキャッシュディスペンサーを展示して、4分33秒間だけキャッシングできるよう制御したい、という構想も明らかにしている。
「僕は20歳の時にマムンダッドプロダクションズっていうレーベルを立ち上げたのですが、レーベル自体の資本金は、友人から『人の為になることに使ってくれ』と言って渡された100万円ですが、運用資金は、実はプロミスからの借り入れなんです。
当時、89年くらいはまだCDが売れていた時代ですが、何の実績もない若造の個人レーベルなんて誰も見向きもしないでしょ。家族に迷惑はかけられないし、友人に借りると恩ができてしまう。
3回くらい、結構な額を融資していただいていますね。僕は実体験として、そうやってレーベルを回してきた。そう考えると自分のクリエイティブの原点っていうのは実はプロミスに支えられてるとも言えるわけです」
さらに宇川氏は、「制作資金/運営資金が存在しなければ生みだすことが出来ない表現が間違いなくある」と、アーティストの創作活動をサポートする支援や助成金の制度が欧米に比べて整備されていないと、日本のシステムについて苦言を呈し、「信用も実績もない個人に融資してくれる機関がほとんどないご時世、金利を支払う自信があるならば、借りられるところがあるなら、借りればいい」と語っている。
「クリエイティブが沸き起こっているのに、国がお金を貸してくれないから困っている。じゃあ、消費者金融から資金を借りて何が悪いのか? 返せる自信があれば借りていいのではないか? 消費者金融は、グレーゾーン金利問題などで、社会的にはノイズとして機能している節もある。しかし、ノイズを味方につけた上でしか、成立しない表現もあるんですよ」
【KAI-YOU.net】
DOMMUNEインタビュー「降らぬ先の傘」宇川直宏の背負うカルマとは? 「KANDA INDUSTRIAL」開催前日重大発表(2014.10.11)
http://kai-you.net/article/9463/page/1