神奈川県・伊勢佐木町エリアの老舗映画館、横浜シネマリンが12月12日(金)、リニューアル・オープンすることが発表された。
オーナーの八幡温子さんは、横浜に映画ファンの願いが反映される映画館を作りたいという思いが高じて、今年、有限会社シネマリンを買い取り代表取締役に就任、シネマリンのリニューアルを計画した。オープン時の番組編成は、今年5月に閉館した吉祥寺バウスシアターの副支配人だった西村協さんが担当。ゆくゆくは八幡さん自身も編成を担当したいと語っている。
横浜シネマリンの八幡温子さん(左)、西村協さん(右)
八幡さんは今回のリニューアルにあたり、関内駅・日ノ出町駅から徒歩5分、伊勢佐木長者町駅からは徒歩2分という立地の良さを活かし、ひとりの映画ファンとして快適に映画を観ることができる映画館にしたいと構想した。築60年のビル地下1階の内部を、当初165あった席数を102席まで減らしスクリーンを大きくし、待合いスペースも広くとり、観客がゆったり楽しめるように改装を施しているという。
上映設備には、アテネ・フランセ文化センター制作室の堀三郎さんの協力により、35ミリとDCPを完備。35ミリの映写機は、改装前から使用していたものが老朽化のため、ライブホール「ユーロライブ」として改装中の渋谷オーディトリウムから買い取った映写機を使用するという。そのかわり、シネマリンの改装で使われなくなった座席がユーロライブで使用されるとのことだ。
オープニング作品は、ジュリエット・ビノシュ主演・エーリク・ポッペ監督の『おやすみなさいを言いたくて』。2週目からは『ポンヌフの恋人』『夏時間の庭』などジュリエット・ビノシュ出演作を週替りで上映。その後も、新作・旧作・特集上映が予定されている。
八幡さんは「女性の生き方を描く映画や食べものがテーマの作品、そして社会問題と関わりの深い作品など、女性オーナーならではの作品を提供していきたい」と今後の編成について述べ、西村さんも「新作の上映に力を入れて、新しいお客さんを取り込みたい」と新生シネマリンの番組編成に意欲を見せた。
また八幡さんは「『爆音映画祭』もやってみたい」とバウスシアターの人気企画復活への期待を膨らませているものの、西村さんは「ビルの地下1階という構造上、反響音が大きいので、大きなスピーカーを入れての上映は難しいかもしれないですね」と語った。
横浜シネマリン
神奈川県横浜市中区長者町6-95
TEL : 045-341-3180(11月開通)
公式サイト:http://cinemarine.co.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/ycinemarine