イラクで勢力を拡大しているイスラム教スンニ派の過激派組織ISIS（イラクとシリアのイスラム国：Islamic State of Iraq and Syria）が、ワールドカップ関連のハッシュタグ（「#Brazil2014」「#WC2014」など）を付けたツイートで、組織への勧誘を行なっていると英国インディペンデント紙が伝えている。
■「The Independent」6月24日付の記事より
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/iraq-crisis-exclusive-isis-jihadists-using-world-cup-and-premier-league-hashtags-to-promote-extremist-propaganda-on-twitter-9555167.html
たとえば6月20日には@Alnhimというアカウント名のISISメンバーが、「#WC2014」というハッシュタグを付けたツイートに、ジハード（聖戦）参加を呼びかける動画のリンクURLを載せて投稿。ワールドカップの情報を探すツイッター・ユーザが世界中で何百万人といるこの機会を狙い、ISISがメッセージ普及キャンペーンを展開していると見られる。
使用されているハッシュタグは、「#WC2014」「#Brazil2014」の他にも、イングランド・プレミアリーグの「#MUFC」「#WHUFC」「#LFC」なども確認されている。ツイッター側がアカウントを停止しても即座に新たなアカウントを用いて現れる状況にある。
また、ISISは世界各地のジハード支援者に向け、ISISの活動の最新情報を配信する「The Dawn of Glad Tidings（吉報の夜明け）」というアラブ語のツイッター・アプリを４月に開発。米国アトランティック誌の記事によると、イラク第2の都市モスルをISISが制圧した6月10日には、アプリ・ユーザからのツイートも含め４万近くの投稿を１日で記録したという。中東情勢の専門家アイメン・アルタミミ氏（シンクタンク『ミドル・イースト・フォーラム』研究員）はカナダのVICEニュースの取材に対し、「過激派の中でも、ISISがソーシャル・メディアを最も巧く使っている組織であることは間違いない」と語っている。
■「The Atlantic」6月16日付の記事より
http://www.theatlantic.com/international/archive/2014/06/isis-iraq-twitter-social-media-strategy/372856/
■「Vice News」6月18日付の記事より
https://news.vice.com/article/isis-fighters-and-their-friends-are-total-social-media-pros
