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日程2013年01月24日
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時間19:30
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会場東京都渋谷区恵比寿西1-17-2
19世紀、ユーラシア大陸西端のブリテン島でモダンの入口と格闘したモリスの軌跡は、ユーラシア東端の島でモダンの出口を模索する21世紀の私達に、大きなヒントを与えてくれます。
当時のイギリスを代表する詩人、作家、ファンタジー文学の創始者、批評家、近代デザインの創始者、企業家、マルクス主義労働運動の指導者、といった複雑な顔を持つ巨人、ウィリアム・モリス(1834 - 1896)の仕事に一貫するのは、それらすべてのディテールにある生々しい生命感、生の感触です。
モリスのデザイン的発想の合理的な側面は、バウハウスなどの20世紀のデザイン運動に引き継がれましたが、この「Vivid Touch」という側面は必ずしも引き継がれていません。
また、モリスの「アーツ・アンド・クラフツ」運動が日本の「民芸運動」に与えた影響、またその社会思想が日本の社会運動に与えた影響の中でも、モリスの創作活動と思想の核とも言うべきこの側面は必ずしも十分に評価されていません。
モダンな合理性の追求に限界が見えている現在、モリスの「生々しさ」の持つ意味を改めて考え直します。