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日程2008年12月07日 ~ 2008年12月27日
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時間12:00
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会場photographers’ gallery
王子直紀写真展「吐喝喇」
2008年12月7日(日)〜2009年1月31日(土)
※年末年始のため、2008年12月28日(日)〜2009年1月9日(金)は休廊
会場/photographers’ gallery
12:00〜20:00
吐喝喇(トカラ)列島とは九州と沖縄に挟まれるかたちで点在する島々。北から口之島、中之島、平島、諏訪瀬島、悪石島、小宝島、宝島の有人7島と、臥蛇島、小臥蛇島、小島、上ノ根島、横当島の無人5島の島々で構成されている。終戦後は北緯30度線が国境線とされ、52年に本土復帰したことはあまり知られていない。
作者がこの場所を訪れたのは、30年ほど前にこの島々を訪れ発表していた写真家から「もう一度だけ撮影に行く」と聞いたことがきっかけとなっている。この島々に対しては抽象的なイメージしか持てなかったが、その写真家の言葉の単純な具体性と、なによりも彼がどうその場所を歩くのか見てみたかったのだと言う。また、これまで継続していたストリートでのスナップ写真から離れるには、吐喝喇という響きだけで十分だったとも言う。
昨年の夏にその写真家と約20日間ほど滞在し、35mmカメラと中望遠レンズ一本で撮影されている。
島には不釣り合いなほど立派な港と小さな集落以外は特に何もない。写真には竹藪、岩、牛舎、水田、墓地、公民館、牛、港、記念碑、民家、人間など目の前に存在したものすべてがバラバラだが片端から写されている。何もない場所で写されたこれらの写真を前に、われわれが個人の興味によって膨らみ続けるイメージのアーカイブという映像環境のなかでいかに既成のイメージに支配され、見過ごし、見たつもりでいるのか気づかされるだろう。
展示点数:ゼラチンシルバープリント/16×20インチ(406mm×508mm) 約30点