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日程2011年10月04日 ~ 2011年11月04日
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時間12:00
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会場photographers' gallery 160-0022 東京都新宿区新宿2-16-11-401
田代一倫が撮影している九州北部と海峡を挟んだ韓国南部一帯は、ともに椿の花に深い縁があります。有名な歌「釜山港へ帰れ」は「椿咲く 春なのに あなたは帰らない」の歌詞で始まり、海峡を繋ぐ連絡船は、椿の英語名を使って「ニューかめりあ」と名付けられています。さらにまた、椿をシンボルとしている街も多くあります。
田代は、新日本製鐵に代表される鉄の街「八幡」で幼少期を過ごし、玄界灘に囲まれた福岡市に長く暮らしていました。これまで、そうした自分と深く関わりのある場所を撮影し、発表を続けてきました。そこでは、衣服や立ち振る舞い、住居や各地方に根付いた食べ物など、文化的な差異が強く意識されていました。しかし、一年半前より東京で暮らしはじめ、あらためて遠く離れた故郷を見なおすことによって、彼の写真も大きく変化しています。九州と朝鮮半島は海峡で隔てられているのではなく、それによって深く結びつけられている一つの大きな場所だと捉えるようになりました。博多にも釜山にも椿の花が咲くように、さまざまな差異とともに、そこには同じ気候風土に暮らす人々の近しさが見てとれます。
■撮影場所:福岡県福岡市、北九州市、山口県萩市、島根県出雲市、釜山広域市、全羅南道木浦市、麗水市
展示内容/Cプリント、約339×387mm、約15点