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日程2011年06月22日 ~ 2011年07月17日
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時間12:00
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会場photographers' gallery 東京都新宿区新宿2-16-11-401
大友は一貫して自身が育った北海道北広島市周辺の風景や家族にまつわる物事を撮影している写真家です。2010年には、「Mourai」と題した北海道の風景と家族のポートレートの連続展を一年間にわたり開催しました(photographers’gallery/IKAZUCHI)。取材する地域は北広島市を中心にしながらも、洞爺湖、函館、稚内など少しずつ道内全域に広がっています。
かつて樺太と呼ばれていたサハリンは気候や植生が北海道と大体同じで、風景もよく似ているらしい。そう聞いてサハリンに一度行ってみたくなった。まずは州都ユジノサハリンスクをまわり、鉄道で行ける最北の街、ノグリキに向かった。街のすぐそばにはトゥイミ川がゆるやかに流れ、その先に進めば針葉樹林が広がっている、とてもおだやかな街だった。いつも川や沼、湖などの水辺とその周りに生えている草花や木々を撮影している私は、ノグリキの静けさにひかれた。トゥイミ川のほとりや原野は、人の気配はわずかに感じられるほどで、荒涼とした土地が広がっていた。ノグリキを後にし、間宮海峡に面した港町・ホルムスクに向かった。ここには旧王子製紙の工場跡地があり、他にも日本が統治していたころの建物がいくつかあった。一週間ほどの短い滞在であったが、確かにサハリンの風景は北海道によく似ていた。そればかりか、郊外の索漠とした原野の中に立つと、まるで開拓される前の北海道にいるような錯覚にとらわれた。(大友真志)
展示内容:インクジェットプリント/559×711mm/約7点