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日程2011年01月14日 ~ 2011年02月14日
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時間12:00
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会場photographers' gallery 東京都新宿区新宿2-16-11-401
王子直紀写真展「KAWASAKI」
2011 年1 月15 日(土)- 2 月27 日(日)
12:00 -20:00 月曜休廊
※1月29日(土)はイベントのため、17:30に閉廊いたします
会場/photographers' gallery
◎スライド上映&トーク
1月29日(土)18:30〜 王子直紀 × 土屋誠一(美術批評)× 前田恭二(読売新聞文化部記者)
予約はこちらから↓
https://ssl.form-mailer.jp/fms/65d99623133596
本作《KAWASAKI》は、作者にとって現在まで主な撮影地である川崎を撮影した写真です。その写真は、ブレやボケを伴っていたり、露光不足や、何を撮ったのか分からないものもあれば、ピントや露光が正常なものもあるというように、さまざまな写り方が含まれています。それは、単なる効果や趣味判断ではなく、一目で忘れさられてしまうような対象を見やすく演出したりせず、絶対に排除できないものとしてひたすら受け入れてきた結果なのです。そうした写したもの、写ってしまったものへの無差別といってもよい肯定を通して提示される写真は、
観者が好むと好まざるとに関わらず、写真に撮って見ることでしか決して得ることのできない体験であることを意識させます。
初期において川崎を撮影地とした理由は、都心でも地方でもない歴史的記憶や伝統の堆積を比較的欠いた中庸な場所であるからでした。それは東京の○○、都市の○○という文脈を避けようとしていたからです。しかし、川崎にほぼ限定されていた撮影地は、韓国・ソウル、沖縄本島、福岡などへ年々拡がりだします。そして、近年の都市を離れ吐噶喇列島、千葉・外房などローカルな場所で撮影された《牛島》、《外房》が川崎での撮影に大きな変化を与えます。その場所への新鮮な驚きとともにこれまでの都市にはない自然や人間の暮らしを撮影した経験が、これまで避けていた川崎という場所そのものへの関心へと向けさせるようになってきました。
本作では前回の個展《川崎》以上に、看板やサイン、住宅や街路樹や寺社や石碑などのさまざまな被写体がより具体的にその場所のものとして捉えられています。川崎とその周囲の断片を集めるように写された、それら一片一片の写真はどこでもない抽象的な都市ではなく、川崎という場所の固有性を表した肖像でもあるのです。
展示内容/ゼラチンシルバープリント、約20 点