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投稿者:ZOU-NO-HANA


12月

03

終了flyingCity 展-生物機械ターミナル

韓国で活躍する注目のクリエイティブ・デザイン・スタジオ「flyingCity」の日本初個展

  • 日程
    2010年12月03日

  • 時間
    00:00

  • 会場
    象の鼻テラス

新たな創造と発信を行う「文化交易」の拠点として、「様々な人や文化が出会い、つながっていく空間」をテーマとする象の鼻テラスでは、2010 年12 月3 日(金)~2011 年1 月23 日(日)まで、韓国を代表するクリエイティブ・デザイン・スタジオ、「flyingCity(フライングシティ)」による、日本では初めてとなる個展”flyingCity 展-生物機械ターミナル”を開催します。現代美術、建築など専門分野を持ったクリエーターが集まり、2001 年にソウルで結成された「flyingCity」。都市をテーマに数々の作品を発表し、韓国内外で高い評価を得ている彼らの作品は、人々の表面には現れてこない無意識や、風景に対する個人的な解釈に焦点をあて、公式に語られる土地の歴史とは異なる物語がテーマとなった作品を生み出します。

横浜を訪れた「flyingCity」が作り出したのは、「他者(自分とは異なる存在)」をテーマにした物語です。象の鼻テラス周辺は、かつては日本で初めて開かれた港であり、交易が盛んに行われ、異文化に触れる玄関口として、住人と旅人(異邦人)が出会う場所、それぞれの「他者」に出会う場所でした。しかし、観光地としてのイメージが色濃くなった今、それは珍しいものではなくなり、自分との境界線も曖昧です。そこでこの物語では、移動や旅行を通じ、私達が出会う旅人(異邦人)とは誰であり、「他者」
を意味し、象徴するものは何かを追求しています。flyingCity は外に向かって開かれ、観光エリアに立地する象の鼻テラスを、旅人の行き交うターミナルと解釈し、未来に向けて「他者」に出会う場所として捉えたのです。

今回展示するのは、巨大でいびつな形の照明オブジェを用いたインスタレーション《Bio-Mechanism Terminal》です。これらは、彼らの手法のひとつである子供達へのワークショップを通じて着想した作品です。‘幻想旅行’をテーマに子供達にとって珍しいもの、見たことのない自分の体内や鉱物、化学物などを想像させるプロセスを経て描かれた「絵」からキャラクターなどを抽出し、混成、変形を経て「生物機械」として制作されました。ターミナル化したテラス内を浮遊する不気味な「生物機械」は、まるでアニメに出てくるような未来の乗り物や宇宙船、未来の旅を想起させると同時に、「他者」の存在を強
烈に示し、旅を通じて出会う「他者」との関係性を突き付ける装置となり、問いかけるきっかけとなるのです。

【展覧会概要】
タイトル: flyingCity 展―生物機械ターミナル
会期:2010 年12 月3 日(金)~2011 年1 月23 日(日)
時間:10:00~18:00
会場:象の鼻テラス
主催:象の鼻テラス
企画制作:スパイラル/株式会社ワコールアートセンター
企画協力:住友文彦(キュレーター)
ワークショップ協力:Gyeonggi Children’s Museum
後援:駐日韓国大使館 韓国文化院

◆アーティストトーク 「flyingCity-生物機械をめぐる旅」
flyingCity のこれまでの活動紹介、今回の展示について、また今後の活動についての紹介をします。

日時:12 月4 日(土) 17:00~18:30
登壇者: Jeon Yongseok (チョン・ヨンソク/flyingCity 代表)
      Lee Hwajin (イ・ファジン/ flyingCity プロダクトデザイナー)
      住友文彦(キュレーター、本展企画協力)
申込方法:info@zounohana.com に氏名、電話番号、メールアドレス記載の上お申し込みください。
件名に「アーティストトーク申込」と記載。

【「flyingCity(フライングシティ)」 プロフィール】
急速な経済成長と激変する政治によって変貌を続ける都市ソウル。flyingCity は、都市におけるコミュニティがどのように変容しているかに注目し続けるプロジェクトを実践してきたことで知られている。表面に現れる発展の姿の深層に横たわっている、そこで生きているもっと雑多な人々の意識や生
に焦点をあて、フィールドワーク、パフォーマンス、地図の製作、都市計画提案、写真などを使ったドキュメンテーションで描き出すその手法は、「漂流(drift)」「心理地理学(Psychogeography)」といった、近年大きく再評価の光が当てられてきたコンスタント・ニーウウェンハイスをはじめとするシチュア
シオニストから影響を受けている。韓国を代表するアーティストグループとして知られ、現在はクリエイティブ・デザイン・スタジオとして活動を行い、その独特の設計デザインの方法を用いて様々な国際展をはじめ、インテリアやデザインの仕事を多数行っている。リウム・サムスン美術館(韓国)や、バンアッベ美術館(オランダ)などに作品が収蔵されている。

flyingCity member:
Jeon Yongseok, チョン ヨンソク、 Seo Younghee, ソ ヨンヒ、Lee Hwajin, イ ファジン、
Yoo Juhyun, ユ ジュヒョン、Jeong Heejeong, チョン ヒジョン、 Yoo Youngyi,
ユ ヨンギ、Jang Jongkwan, チャン ジョングォン Jung Seoungeun, チョン ソンジュン、
Seo Kwisun, ソ キスン、Lee Seongung イ ソングン

【イントロダクション】
象の鼻地区と言われても、おそらくその名の由来を知る人は多くはないでしょう。それは、上空から見た地形、つまり神の視点でないと捉えられない形に由来します。港に突き出た象の鼻であり、小さな村から急激な近代化を経た横浜を象徴するような場所でもあります。こうした色々な歴史や記憶が都市の風景をつくっているいっぽうで、人々に共有され、象徴として交換される以外にも、場所と人の関係には個人的、身体的、精神的なつながりもあるでしょう。もっと表には現れない人々の無意識、あるいは個人的な解釈から風景をとらえることができると、少し自由を感じることもできるかもしれません。それは、公式に語られる土地の物語=歴史とはまったく異なる別の物語です。
フライングシティは今回ひとつの物語をつくりあげました。この外国から人々や物資が届けられた場所は、かつては「他者」たちが行き交う街でした。今は人気の観光スポットであり、私たちにとっても外国人が珍しいわけでもなくなりました。そうしたときに、「他者」ははたして居なくなってしまうものなのでしょうか?そんなことはない、それは絶えず居続け、もしかしたら「他者」とはこの地球の外にいる場合もあり、今も横浜はその接点であり続ける・・・・というような話です。さて、どんな作品が展開するのか。また、象の鼻テラスは海に向かって開かれ、アートファンのための場所ではない、多くの人が訪れるような場所です。歴史や観光のイメージが強いこの場所で、アーティストの解釈によって、このスペースと関わるような仕事ができる人をここに呼びたいと思いました。それも、あちこちの地域から来た人々が行き交い共存する街にふさわしく、アジアの隣人たちから招待できるといいのではないかと考え、韓国で評価の高い仕事をしてきたフライング・シティに声をかけました。彼らがとらえた象の鼻テラスをぜひ楽しみにしてください。

本展キュレーター 住友文彦

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