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投稿者:20202


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終了馬場省吾個展「一本道の迷路、正順あみだくじ」 "Single Route Maze, Same Order Amida Lottery"

馬場省吾個展 一本道の迷路、正順あみだくじ "Single Route Maze, Same Order Amida Lottery"

  • 日程
    2015年08月13日 ~ 2015年09月12日

  • 時間
    15:00

  • 会場
    代々木上原/代々木八幡

■展覧会タイトル 馬場省吾個展「一本道の迷路、正順あみだくじ」
■会期 2015年8月13日(木)〜9月12日(土)
■開館時間 15:00〜19:00
■会場 20202 渋谷区西原3-23-4 コート代々木上原102
■TEL 03-3465-5065
■URL http://www.shinrin20202.jp/

●ステイトメント
迷路は、迷いながらどの道を行けばゴールに辿り着くかを探ることに面白さがあ
る。あみだくじは、どこに行くのかわからないからこそ、順番決めに使われる。
いずれもランダム性を利用したもので、単純なルールに従って人間が行うことが
前提となるものである。これらは大量の線があることによって、「どこに行くべ
き/行くのかがわからない」ように、人間の計算能力の限界を前提として成立し
ている。
しかし私たちは、人間の計算能力を遥かに上回る機械の時代に生きている。迷路
やあみだくじのような単純なルールのみからなる計算問題は、機械の計算能力を
もってすれば、どこに行くべきか、どこに行くのかという解答を瞬時に得ること
が可能だろう。(当然、迷路やあみだくじを解くプログラムは、世界中にある。)
「機械によって可能である」という想像は、機械の時代以降の価値観である。機
械による計算の方が、人間が行う計算よりもずっと高速である場合、その計算は
機械が行った方が効率的だ――こうした価値観が、私たちの社会ではごく日常的
に行われている。
つまり迷路やあみだくじがいまだにこの時代でも存在しているのは、これらの計
算が機械によって行う必要がない、言い換えれば、人間が行う必要があると考え
られているからだ。迷路は遊戯であるし、あみだくじは順番決めのクジだから、
人間が行うことに意味があって存在しているのだ。
では、人間にとって意味が無い迷路やあみだくじを作ることを考えてみる。迷路
であれば、一本道で迷わないもの。そんな迷路は面白みが無いため、遊戯性が無
い。あみだくじであれば、正順に戻るもの、つまり順番が全く入れ替わらないも
の。そんなあみだくじは実用性が無い。
ここで、「意味」という語には、「意義」というニュアンスが含まれていること
に気付く。先に述べた「意味が無い」という文は「存在意義が無い」という意味
だ。一本道の迷路や正順あみだくじは、「存在意義」が無い。しかし「壁がある
部分は進めない」だとか、「横線があれば入れ替わる」という、線が持つ意味は
保存されたままである。
「一本道の迷路」や「正順あみだくじ」を作ることは、それらが持つ「意義」を
取り去り、言葉としての「意味」のみを強調できる。迷路やあみだくじは、私た
ちが言葉ではなく単純な線の連続のみで「意味」を解釈している、稀有な視覚表
現なのである。

●略歴
馬場省吾 Shogo Baba
芸術家。視覚的要素、音、文字など、メディアを問わずジャンルを横断する形式
の作品を制作し、パフォーマンスも行う。
2010 年より、平間貴大・中ザワヒデキとともにグループ「新・方法」を結成(
2012年、中ザワヒデキが脱退、皆藤将が加入)。作品とメール機関誌を多数配信。
web: http://7x7whitebell.net/

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